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CS推進の「年間スケジュール」を道しるべに、地域一番店を目指す

JR九州グループとして「アミュプラザくまもと 」「肥後よかモン市場」などの商業施設の運営を行っている、株式会社JR熊本シティ。約260店のテナントの方々と一緒に熊本のまちを更に盛り上げていくために様々な仕掛けに取り組んでいる同社は、 CS向上を目指し、覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」を導入している。CS向上に対する想いや活動の土台にある年間スケジュールについて、また、覆面調査の具体的な活用法について話を聞いた。

【商業施設】CS推進の年間スケジュール取材メンバー

サービスバナー「商業施設向け_覆面調査&研修プラグラム」

「年間スケジュール」を道しるべに地域一番店を目指す

―CS推進課が掲げる目標を教えてください。

岩﨑氏:当社は「お客様、テナント様、地域の皆様から、一番に選ばれる商業施設でありたい」という目標を掲げており、CS推進課もこの目標を拠り所として取り組んでいます。特に「ここで働きたいと思ってもらえる施設であるかどうか」は大切にしているポイントです。テナントの皆様のスキルや仕事の充実度を高めていくことで、ファンになって下さるお客様が増えていく、そして、お客様の支持が従業員の皆様の働きがいにもつながっていく、そのような良い流れつくることを目指して活動を進めています。

―具体的にはどのような取り組みを行っていますか。

下ノ原​​​​​​​氏:具体的には、CSを推進するための「年間テーマ」と「年間スケジュール」を毎年決め、継続的な視点を持って取り組んでいます。今年度は「整える」がテーマです。


―「年間スケジュール」について詳しく教えてください。

岩﨑氏:店長会議を毎月、年間で12回開催し、主な事項はここで共有しています。今年度はこの会議のほかに店長研修を年に4回、店長同士で意見交換してもらう時間を年に7回設け、「店長会議+店長研修の月」と「店長会議+意見交換の月」にわけて取り組んでいます。また、全スタッフを対象としたスキルアップ研修や接客スキルのロールプレイングコンテストにも取り組み、どのスタッフ様でも接客スキルを磨ける場を用意するようにしています。

年間では、上期に研修の比重を多くし、下期に覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」を行い、学んだことが店舗で習慣化できているかを確認するというスケジュールを組んでいます。

JR熊本シティの「CS推進・年間スケジュール」 【商業施設】CS推進・年間スケジュール事例_アミュプラザくまもと


―「店長同士の意見交換」を始めた理由を教えてください。

下ノ原氏:コロナ禍が落ち着き、やっとみんなで集まって会話できるようになってきましたので、店長同士の意見交換の時間をつくることにしました。意見交換のテーマは、昨年度のうちに各テナントの店長の皆様に行ったアンケートの結果を参考に「新規顧客を開拓するには」「リピーターになっていただくためは」といったものを設定しています。

私たちからの伝達も重要ですが、新しい発見や日頃の悩みの解消につながり、更には、同じ施設内で働く仲間として他のテナント様の考え方や取り組みを知ることで、より団結力や一体感が高まると考えています。また、より現場の視点に立った情報やすぐに実践できる情報など、店長会議の後にお店に戻って自店のスタッフに伝えやすい情報を得ていただけているように感じています。毎月同じメンバーで意見交換のグループを組むようにしていますので、回数を重ねることで議論そのものも、人間関係も発展していけばと期待しています。


【商業施設】CS推進の取り組み_店長研修風景

「覆面調査」を活用し、テナントの予算達成をサポート

―CS推進において、覆面調査はどのような役割を果たしていますか。
 
山本氏:先述の通り、店長会議や各種研修の内容が、店舗でどのぐらい習慣化できているかを確認するためのものとして位置づけています。

覆面調査がなかったら気づかなったことが沢山あったと思います。私どもは、これが最高の状態だと信じて取り組んでいます。とはいえ、 私どもが良かれと思っていた行動が、実はお客様を残念な気持ちにさせてしまっていた、そういったすれ違いはどうしても起きてしまいます。 そして、そのことを声には出さずにお帰りになるお客様が沢山いらっしゃる。そういったお客様の声を代弁してくれる、気づかせてくれるのが、覆面調査だと考えています。


―覆面調査の具体的な活用法について教えてください。

山本氏:調査結果が出たら、各テナントとオーナーの皆様にすぐにメールでお送りしています。また、予算達成に苦労しているテナント様を中心に、「お客様の視点で見るとこういう気づきがあるよ」と調査結果を一緒に確認して、 予算未達の原因を探る道具のひとつとして使っています。例えば、入店時の挨拶が課題だった店舗では「作業しながらも目線をあげる習慣づけ」に取り組んでくださったりしています。心に響かないと人は動きません。私たち施設の意見としてではなく、お客様の声として課題を提示できる点が良いと感じています。

【商業施設】年間を通したCS推進の活動インタビュー_取材相手写真

(右から)取締役上席執行役員  総務企画部  部長  長井氏、総務企画部  CS推進課 
主任  下ノ原氏、課長  岩﨑氏、営業部営業二課  副課長  山本氏

全力で知恵を出しあい、進化を続ける

―覆面調査の品質についてはどう感じられていますか?

山本氏:全店一律の調査項目ではない点が良いですね。出店しているテナント様に合った複数の調査項目にカスタマイズして下さっているおかげで、テナントの方が、自分のところに適した調査をしてもらえているとご満足いただけているようです。調査を依頼して3年目になりますが、回を重ねるごとに調査内容もバージョンアップして下さっており、テナント様の満足度があがっている点がありがたいと思っています。多数の調査実績をお持ちなので、他の施設と比べた強み・弱みを教えて頂ける客観的な視点も助かっています。


―CS推進活動の今後に向けて、展望をお聞かせください。

長井氏:目標はやはり皆様に選ばれる「地域一番店」になるということです。そこに少しでも近づくための様々な取り組みのひとつとしてCS推進を続けていきます。もちろん簡単に辿り着ける目標ではありませんので、昨年よりも今年、今年よりも来年と貢献度を上げていけるように、全力で知恵を出しあい、計画を立て続けていきたいと考えています。


​​​​​​​※取材日:2024年7月18日
※取材:株式会社MS&Consulting リレーション事業部 吉川高弘 中村あづさ、執筆:児玉彩子


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