スタッフの自信を育てるコミュニケーション|HUGE新川社長に聞く5
スタッフが「自分は必要とされている」と感じるには?2002年の日米首脳会談では会食の接客を担当、「サービスの神様」とまで言われた、 株式会社HUGE新川社長にお伺いした(取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀) 。
組織の3つの価値
僕は「組織の価値」というのは、大きく分けて3つしかないと思っています。
1つ目は、「学ぶことができる」こと。ここには、尊敬できる人がいるとか、やりたいことができるということも含まれます。
2つ目は、「正当な評価をしてもらえる」こと。やったらやった分だけもらえないと、それは何があったって辞めますよ。ちなみに「もらえる」というのは収入だけではなくて、休みなども含めての話ですね。そういう正当な権利を認めてもらえないのでは、組織としての価値は感じてもらえません。
そして3つ目が、僕はこれが一番大事だと思っているのですが、「自分が必要とされる」ことです。今の若い世代は特にこの部分を重視しますね。「あ、俺がいなくてもいいんだ」と感じた瞬間、どんなにいい会社でも来なくなっちゃうみたいなところがあります。
新卒スタッフに絶対に言わないこと
ですから、僕が新卒入社の子と話をするときには、「おい、いつ店長になるんだよ」とは絶対に言いません。「今年1年で、1つでいいから何か夢中になれることを探してみて」と言っています。実際にあるスタッフは、入社して一年後に「僕、ピザに夢中になりました」と言ってきました。だから「おお、どれくらいになった?」と聞いたら、「○○先輩には負けないくらいになりました」と。実際に、以前は1時間に20枚しか焼けなかったところ、今では50枚焼けるようになっている。自信が生まれ、存在価値を感じられるようになっているのです。
存在を肯定する言葉をかける
「いつ店長になるんだ?」という問いかけは、「今できていない部分」に着目する質問。つまり、「存在の否定」につながります。一方で、「夢中になれることを探してみて」というのは、そのスタッフの「個性」や、「できるようになったこと、成長したこと」への着目につながります。つまり、「存在を肯定する」ことです。
スタッフの成長を願って声をかけるにしても、言葉選び一つで、与える印象は大きく変わるのです。
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取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀