スタッフの成長段階にあわせた教育方法|HUGE新川社長に聞く4
スタッフの成長段階にあわせた教育方法についてのお考えを、2002年の日米首脳会談では会食の接客を担当、「サービスの神様」とまで言われた、 株式会社HUGE新川社長に伺った(取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀) 。
初級の教育-価値観/基本オペレーション
スタッフを初級・中級・上級の3段階に分けるとすると、初級のスタッフにはまず、会社のビジョン・価値観について伝えて、それを理解・納得してもらう時期だと考えています。
先ほどお話しましたように、お客さまが入店された際に、一人でも顔を上げて挨拶しないスタッフがいると、お店に対する印象は残念なものになってしまいます。そういうことを、「知識としてわかる」のではなく「心から納得して、実践できる」レベルで伝えます。
そしてスキル面で言えば、まずは基本のオペレーションができるというところを目指してもらいます。この段階だと「お客さまに言われるがままに動く」というレベルですね。「すみません」と呼ばれてテーブルに行って、お客さまからオーダーを取って、それをお出しする。お客さまのペースで動いているので、一人で4テーブルを見るのが限界という状態です。
中級の教育-生産性
初級で求められるスキルが一通り身に付いたら、次のステップである中級では「生産性」を意識してもらいます。生産性を上げるためには、自ずと提案型のスタイルになっていかざるを得ません。オーダーを取るにしても、お客さまが考えている間ただ横で立って待っているのではなくて、ピザの種類で悩まれているのであれば、お客さまに合わせて「半分ずつ味を変えましょうか?」とか、「こちらは当店でしか召し上がっていただけない水牛のモッツァレラを使ったものなので、お勧めですよ」とご提案できれば、「いいね、それちょうだい」ということで、ぱっと決まる。お客さまとの距離も縮まりますし、こちらのペースで応対ができるので守備範囲も広くなって、初級では4テーブルが限界だったのが、8テーブル見られるようになってきます。つまり、生産性が上がるわけです。
上級の教育-教育する
上級になると、ここに「教育」の観点が加わります。「自分だけがそれをできる」のでは駄目で、「自分の代わりになる人」を育てようということです。
まとめ
※インタビューをもとにMS&Consultingが作成
相手に合わせて未来を示す
なお、こういう一連の教育ステップはありますが、このステップをどこまで見せるかは相手のレベルに合わせています。例えば「大学一年生で、アルバイトをするのも初めてです」というスタッフに中級以上のステップを見せても、かえってプレッシャーになってしまって、「私には無理です」となってしまう可能性が高いので、そういう場合は「まずは基本を身に付けよう」という話に留めます。逆に経験豊富なスタッフであれば、しっかりと先のステップまで見せて、キャリアプランを一緒に考えるような、長期的な視点でのアプローチが必要でしょう。
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取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀