HUGEの新人育成|HUGE新川社長に聞く6
新人スタッフにどのような教育を行うべきなのか?2002年の日米首脳会談では会食の接客を担当、「サービスの神様」とまで言われた、株式会社HUGE新川社長にお伺いした(取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀) 。
新人スタッフむけオリエンテーション
当社では、新しく入ってきたスタッフの迎え入れ時に、本部でオリエンテーションを行います。オリエンテーションでは、まずはイメージが大事なので、ワインを注いでいる、フライパンでパスタをあおっている、お客さまと話しているといった、先輩スタッフが店でいきいきと働いている様子をまとめた動画を見てもらいます。そして、HUGEの歴史や理念、「HUGE10の約束」など、当社の価値観、当社が大事にしている考え方を話します。その後で、出退勤ルールやシフトの申告方法、衛生関連のことなど、最低限のルールを伝えます。
引用元:株式会社HUGE「企業情報|私たちのVISION HUGE 10の約束」https://www.huge.co.jp/corporate/
ルールを価値観と絡めて説明する
このときに大切にしているのは、「HUGE10の約束」と絡めて話すということです。例えば、新しく入った渋谷くんというスタッフがいたとしたら、「下の名前は何ですか?」「行秀(ユキヒデ)です」「行秀(ユキヒデ)さんですね。うちのお店では、ネームプレートに『渋谷』とは書きません。行秀(ユキヒデ)さんなら、『ユキ』でどうかな?」という話をして、その後で必ず「なぜか分かる?」と聞きます。
そして、「朝、お店に来てスタッフ同士で挨拶するときに、『おはようございます』じゃなくて、『ユキくん、おはよう』って言われたほうが嬉しくない?」という話から、ホスピタリティの中でも特に大事なパーソン・トゥ・パーソンの考え方、「お客さま」という呼び方ではなくて、ご紹介いただいた後はファーストネームで呼ぶことが、お客さまとの距離を縮める第一歩だよね、ということを教えるのです。
ファーストネームで呼ぶというのは欧米的な考え方なので、大半のスタッフが最初はきょとんとしていますけどね。でもお店に出勤したら、実際に「ユキ、おはよう」と先輩スタッフから挨拶されますし、それに対して「○○さん、おはようございます」と名前で返せないと、「なんだよ、名前まだ覚えてくれてないのー?」となってしまうので。名前を覚えて、名前で呼ぶ重要性が実感できますよね。
メンターによる現場フォロー
あと、新人スタッフには必ずメンターをつけます。人によって言うことが違って、この人は「皿を持っていけ」と言うんだけれど、別の人からは「下げるものを先にしろ」と言われる。結局、誰の言うことを聞いたら良いのかわからないという状態は、かなりのストレスになります。
そういうことにならないように、必ずメンターを付けます。困ったときにひとりぼっちにならないように、相談できる身近な存在がいるということも大事ですし、このメンターが、先ほどの話のような「当社が大事にする考え方」を現場でフォローしています。
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取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀