catch-img

新人スタッフにはじめに教えるべきこと【早期離職を防ぐ】

「お客様目線を持って仕事をしてもらいたい」、新人育成を担当している方なら一度は考えた事があるのではないでしょうか?本記事では、サービス業において、新人スタッフに教えるべきはじめの一歩をご紹介します。


新人スタッフにまず何を任せる?

新人スタッフにマニュアルやハウスルールなどの基本事項をひと通り教え、いよいよ実践デビュー。その時、みなさんのお店で最初に任せる仕事は次の3つのうちどれですか?

(1)人手が足りない仕事
(2)お客様と接点がある仕事
(3)お客様と接点がない仕事(裏方業務)

もし、新人スタッフに「お客様目線を持って仕事をしてもらいたい」と考えているなら、おすすめは……(2)お客様と接点のある仕事です。その中でも特に「お客様から"ありがとう"をもらえる機会の多い仕事」がおすすめです。この理由がわかる、ある事例をご紹介します。


関連コラム:新入社員のやる気を引き出す2つのポイント
     :離職率が高い原因はどこにある?離職率が低い店舗の特徴


「あるレストランの新人育成」が教えてくれること

焼きたてパンが評判のあるレストランのお話です。かつて同店では「お客様と接点のない裏方業務」から新人スタッフに任せていました。

ところが、お客様との接点がなかったため、「早く仕事をこなすこと」「正確に仕事をこなすこと」が優先されてしまい、新人スタッフの中から「仕事とはお客様に喜んで頂くこと」という意識が薄れていってしまいました。結果、お客様と直接接する仕事に切り替わっても、目の前のお客様のことを考え主体的に接客するということをしないスタッフに育ってしまいがちでした。


皿洗い画像


新人スタッフはまっさらです。そのまっさらな状態の時に「仕事=迅速かつ正確に作業をすること」と刷り込んでしまうのはもったいなくはないでしょうか?

同店ではこのことに疑問を抱き「一番最初に任せるポジションを変えてみよう」と考えました。お客様と接点のない裏方業務から任せるのを辞め、パンサービスから任せることに変えたのです。パンサービスとは、同店の看板商品である焼きたてパンをかごに入れて客席を回り、「どのパンがいいですか?」とお客様に尋ねる仕事です。

実はこの「パンサービス」、同店の接客ポジションの中で特に多く"ありがとう"を頂ける仕事です。


提供スタッフ


新人スタッフが一日の仕事を終えたら、先輩スタッフは新人スタッフにこのような質問をします。

「今日、お客様からいくつ"ありがとう"をもらえた?」
「"ありがとう"”をもらった時、どんな気持ちになった?」
「明日もっと"ありがとう"を頂くために何ができるかな?」

この問いかけを繰り返すことで、新人スタッフは「お客様に喜んで頂くことが仕事なんだ」ということを理解していきます。最初にこのポジションからスタートした新人スタッフは、他のポジションでも自然と「どうしたらお客様から"ありがとう"をいただけるかな?」と考えるようになるそうです。

新人スタッフには最初に「なんのために仕事をするのか?」という原点を実感してもらうことがとても大切、という好事例です。


"ありがとう”をもらえる仕事って?

事例ではパンサービスの仕事を活かしていましたが、どのお店にもあるポジションではないですよね。他にどんな仕事がお客様の"ありがとう"を実感できるでしょうか?おすすめは「お見送り」です。

例えば、飲食店ならレジ付近のテーブル担当にして、お見送りも担当してもらいます。そして「自分が担当したテーブルのお客様をお見送りした時に"ありがとう"をもらえるように頑張ろうね」なんて伝えてあげると有効です。

小売店ならレジの梱包担当にし、商品をお渡しする際に必ず何か一言添えてわたす仕事を任せて、いくつありがとうをもらえるかカウントするなんて方法をとっているお店もあります。

「新人スタッフのうちにお客様目線を強く育てたい」とお考えの教育担当の方は、ぜひ「お客様からの"ありがとう"を実感できる仕事」という視点で最初任せる仕事を一考してみてください。


新人スタッフの満足度を測定し、離職を防止する「tenpoketチームアンケート」
新人育成・離職防止につながる従業員エンゲージメント調査「テンポケットチームアンケート」サービスページリンク


※執筆:株式会社MS&Consulting チーフコンサルタント 児玉彩子

この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。

無料メルマガ会員に登録すると、メールマガジンで
「最新記事」や「無料セミナー・イベント」
情報が届きます!