【第4回外食クオリティサービス大賞レポート】 「感動共有業」の理念を具現化するスーパーバイジング
株式会社プライム・リンク
URL:http://www.prime-link.com/
本社所在地:東京都港区高輪2-16-29 丸高高輪ビル2F
設立:1995年9月22日/資本金:3億円(平成21年3月現在)/店舗数:直営21店舗、FC276店
経営理念:
『感動共有業』「お客様との感動共有はもちろん、共に働く仲間とも感動を共有し、人間的に高めあっていきたい」-経営理念にはこのような想いが込められています。
展開する全ブランド:炭火焼肉 牛角、釜飯と串焼 とりでん、izakaya dining おだいどこ、鳥専門 日向暁荘、金の鶏銀の釜
※記載されている会社概要や役職名などは、講演(掲載)当時のものです。ご了承ください。
全国に約300店を展開する株式会社プライム・リンクは、フランチャイズ(FC)本部運営のノウハウを軸に成長を続けている。企業理念は『感動共有業』で、プレゼンでは理念の具現化のための2つの取り組みについて発表した。
1つが「Five Starsランキング」。スーパーバイザー(SV)による店舗診断、アンケート評価、ミステリーショッピングリサーチ(MSR)、衛生検査の4つの指標で評価し、店舗を5段階に格付けする。100点満点で80点以上がFive Stars(5つ星)の「感動店舗」、4つ星が「優秀店舗」などとなる。各加盟店が感動店舗を目指すことで、QSC(クオリティー・サービス・クレンリネス)の向上を図っている。
店舗診断においては、SVの活動が大きな意味を持つ。診断基準を明確にし、定期的に上長がSV店舗訪問に同行することなどの条件を設けることで、診断の公正さが担保され、各店舗が結果を素直に受け入れることができる。
また、アンケート評価では回収率が重要な指標となっている。回収率はサービス力の表れであるという考え方から、食後のお茶とおしぼりと共にアンケートを丁寧に依頼することを定着させた。その結果、回収率は月間平均56.4%と高く、月間30万枚を取得する。
集計したアンケート結果は「状態観測表」に記入。お客様満足度の分析だけでなく、日々の売上、FL、利益などと絡めてひと目で分かるように工夫している。これを毎日、店舗からSVに日報として送付することで、SVは客観的に店舗の状態を把握でき、数値に裏付けされた適切な指導・アドバイスを行うことができる。
理念具現化に向けた2つ目の取り組みが「インプレッション フォーラム」。1年に1度、MSRやFive Starsランキングなどで成果を上げた店舗を賞賛する場として、直営及びFCを含む全440店舗の中でNo.1を決める大会だ。これに向けて各SVは、キックオフミーティングの開催を皮切りに、店舗の行動計画に密接に関わり、店長、スタッフと共に改善活動を進める。
そして、今年のフォーラムで最優秀店舗に輝いた「牛角八戸ゆりの木通り店」の大澤のはら店長があるエピソードを語った。ある日、家族連れが訪れ、母親が誕生日だと知った。何かお祝いをしてあげようとそっと男の子に相談したところ、その子は障害で声が出せなかった。そこで、彼にメッセージカードを書いてもらい、店のスタッフの歌と共にプレゼント。母親は、「子供に誕生日を祝ってもらえるなんて、初めて。一生の思い出ができました」と感謝された。食事を終えて帰っていく時、男の子は言葉にならない「ありがとう」と言って手を振り続けてくれた。「私はあの姿を決して忘れることはできません。この感動と喜びを多くの仲間と共有することができました」と大澤店長。
最後に大槻哲也社長は、「感動共有業という理念の下、最高の思い出を演出する場を今後も提供していきたい」と締めくくった。