店の「人間力」は店長で決まる!! 5つのテーマで店長力強化
店長塾
東京都中央区銀座7-2-6 リクルートアネックスビル
公式ウェブサイト:http://www.tentyouzyuku.com/
『季刊MS&コンサルティング 2011年冬号』掲載
取材・文:西山 博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
MS&Consultingでは、長年の研究を通じて、飲食店のお客様満足は「商品力」×「店舗力」×「人間力」で決まると考えています。「商品力」とは、「その店でしか食べられない話題のスイーツ」や「お客様から高い支持を得ている新鮮野菜」のような、店で提供する商品やサービスそのものの魅力度のことです。「店舗力」とは、「席は少し狭いが、料理が美味しくて価格が安い」「その国に行ったような気持ちになれる料理と内装があるアジア料理店」「駅からすぐそばの立地にある」など、業態設計や店舗設備の魅力度のことです。これらの魅力度はお客様満足のみならず従業員満足にとっても重要ですが、栄枯盛衰の激しい外食業界においてそれらのみに頼ることはリスクが大きく、かつ容易にベンチマークできるため模倣されやすいという特徴があります。一方で、「人間力」は店で働く従業員個人の能力、そして組織のマネジメント力を差しますが、これらは模倣されにくい上、お客様満足度に直接的な影響を及ぼします。
では、「人間力」は何によって決まるのでしょうか。私たちは、それについて従業員満足度調査と覆面調査による顧客満足度調査、そして業績の関係から考察を重ねてきました。その結果、サービス業において「人間力」のキーポイントは店の組織風土であり、組織風土の形成に大きな影響を及ぼす「店長」のマネジメント力が鍵となることが分かりました。お客様満足度も業績も高い店舗には、非常に高い確率で優秀な店長がマネジメントに当たっています。立地が良いものの業績が伸び悩んでいた店舗が、店長が変わったことで大きく成果を上げたという例も珍しくありません。
しかし、一言で「店長のマネジメント力」と言っても、どうすればそれを高められるのか、また人間力を高めるには何を重視すべきか、ということは明確化されていないケースがほとんどです。そこで、これまでのコンサルティング経験から、「店の人間力に影響を与えるマネジメントのテーマ」=「店長力向上のテーマ」を5つに絞り(下図)、それらを集中的に強化するプログラムを開発しました。それが、『店長塾』です。
ここでは、2010年10月~2011年3月迄、全7回の講義を通して「店長力」を身に付ける第1期店長塾の概要をご紹介します。
店長力向上の5つのテーマ|店長業務に関わる色々な「問題」を解決
●リーダーシップ
スタッフにもっと楽しく働いてもらうためのヒントが欲しい。スタッフのやるべき業務の優先順位付けに不安がある。
●ビジョン
年間計画の立て方や繁忙期対策が分からない。毎日の仕事がルーティン化してしまっている。
●個人面談
スタッフの一体感や店に対する愛着感が十分でない。アルバイト同士の仲が悪く、どうしたら良いか悩んでいる。
●ミーティング
毎回発言するのは同じスタッフ、またはほとんど店長。ミーティングが伝達事項や意見交換だけで終わってしまう。
●権限委譲
右腕となるNo.2スタッフを育てたい。アルバイトが自主的にアイデアを出し、実行する店にしたい。
店長塾スケジュール|各回:10時~15時(5時間の講習会)
日程 | テーマ | 内容 |
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第1回 | 店長の仕事とは? ビジョンを描く | リーダーシップとマネジメントとは、ポジティブ型のビジョン作成 |
第2回 | 現状把握、個人面談 | 部下からのアンケート結果、個人面談の開き方 |
第3回 | ミーティング | ミーティングの開き方、質問の仕方 |
第4回 | 権限委譲(時間の使い方) | 仕事の棚卸し・リーダーの時間の使い方・店舗視点と部下視点での仕事の任せ方 |
第5回 | 成果発表会 | 店長塾を通して成長した、内容の発表・共有 |
★ご注意:研修内容は変更となる場合がございます。参加人数によっては開催を中止する場合がございます。
店長塾参加者のコメント|アンケートより抜粋
自分の考え方を他社の方とすり合わせる中で、共有できる部分は自信につながり、浅かったと思う部分についてはもっと深く真剣に考えていかなければと思います。(マネージャー)
ケーススタディを通じて価値観の共有や、それぞれ違った立場でのディスカッションがとても勉強になりました。仕事の進め方も学ぶことができ、これからの店長業務に活かせそうです。(店長)
理想の店舗をイメージして、他社の方と想いやノウハウの共有をすることで、リアリティのある意見交換をすることができています。(主任)
従業員満足度調査は自分が思っていた結果と大分違っており、自分・自店の強み・弱みを知る事ができました。個人面談を含めたこれからの店づくりや教育に役立てていきたいと思います。(店長)
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