199店舗でCS改善!たった5カ月で アルバイト2,256名を巻き込んだ「CS活動の進め方」
サンマルクホールディングス
株式会社鎌倉パスタ
「ベーカリーレストラン サンマルク」「サンマルクカフェ」などを展開するサンマルクホールディングスのグループ会社として、生パスタ専門店「鎌倉パスタ」を全国に199店舗運営する、株式会社鎌倉パスタ。同社では「おもてなし強化」に向けて顧客満足度調査「ミステリーショッピングリサーチ」などの活用をスタートされました。その目的と活動内容について、同社CS部 萬代剛大氏に取材しました。
選ばれるレストランには「人と人とのつながり」がある
―コロナ禍で外食産業を取り巻く環境は大きく変わりました。このタイミングであらためて「おもてなし強化」に投資するのはなぜですか?
もともと当グループは『私たちはお客様にとって最高のひとときを創造します』という経営理念を掲げており、どのような時代にあってもその考えは揺るぎません。テーブルオーダーなど「人手不足でも営業ができる体制づくり」も同時に進めていますが、一方で「おもてなし強化」にも投資しているのは、お客様に選ばれるレストランになるためには最終的には「人と人とのつながり」が大事だと考えているからです。
―おもてなし強化の手段として、「ミステリーショッピングリサーチ(以下、CS調査)」を選択した理由を教えて下さい。
店舗数の増加にともない指導が行き届きにくくなりました。以前に比べると本部発信に対する現場の理解や行動が得づらくなったと感じています。「お客様をおもてなししようよ」と発信しても、お客様のニーズが多様化している中で何をしたら良いのか戸惑うスタッフが増えている印象です。時代の流れには逆らえません。CS調査は細かくチェック項目が設定されていて、具体的にこれをやったら良いんだというのが明確です【図1】。アルバイトスタッフでもわかりやすい。会社が目指している姿をわかりやすく伝えられると判断しました。
【図1】CS調査票(サンプル)
※実際に使われている調査票をもとに弊社加工
―導入候補の中から、弊社のCS調査を選んだ決め手は何ですか?
CS調査となるとどうしても、できていないところを列挙するものが多くなります。それも大事な視点ですが「できていない」と言われ続けると誰でも嫌になります。調査に対する反発も出てくる。MS&Consultingさんの調査は、各店舗の良いところを伝えることを基本に据えていて、その中で改善点も伝えていこうというものです。「調査を受け取る店舗の気持ち」も考えてくれている、その姿勢がいいなと思いました。実際、現時点で店舗から調査内容に対する不満は出てきていません。
「同じ調査員は半年以内に再訪しない」などのルールが整備されているのもポイントでした。他社の調査だと同じ調査員の方が何度も来店されたため、スタッフに調査員だとわかってしまったということもありました。そういった細かい部分にまで配慮がされていると感じました。
データ活用でCS活動の進捗チェックが容易に
―「おもてなし強化」の具体的な取り組みを教えて下さい。
CS調査結果が届いた後、スタッフから「気づきレポート」を提出してもらっています。その後、結果を受けてどのような改善をすると決めたのか、各店から議事録を提出してもらうルールにしています【図2】。
【図2】CS活動の流れ
※実際の画面を弊社加工(写真・個人名は架空のものです)
―「アルバイトスタッフの参加率」が199店舗で2,256名と順調に推移しています【図3】。全員参加のCS活動にするために、どのような工夫をしていますか?
CS調査と同時にMS&Consultingさんの社内コミュニケーションツール「tenpoketトーク」の導入も進めました。議事録などは、この「tenpoketトーク」を使ってオンラインで提出してもらっているので、CS活動の進捗をデータで把握できるようになりました。その中から、「気づきレポート投稿数」や「ID登録数(tenpoketトークをダウンロード・登録した人数、各店が何人のスタッフをCS活動に巻き込めているか推測できる)」を、本部から毎月発信して現場の意識を高めています。
実は、今はあまりCS点数を重視していません。それよりも各店がどうアルバイトスタッフを巻き込んで活動に取り組めているのか、そのプロセスデータを注視しています【図4】。まずは"アルバイトを含めた全スタッフの当たり前の活動"にすることが成果を出す土台になると考えているからです。
【図3】CS活動の参加人数(tenpoketトーク・累計ID登録数)
※初回ログインID数≒ID登録数として算出、199店舗分のデータ
【図4】CS活動の活性度合い(tenpoketトーク・投稿数)
※199店舗分のデータ
「やらされ感のCS活動」と「前向きなCS活動」、違いは想いの共有
―現場の「やらされ感」が高まることなく、前向きに取り組めているのはなぜでしょうか?
何のために取り組むのか「想い」を伝えることを大切にしています。今回の取り組みは代表からの発信でした。その点は大きかったと思います。また、本部からの発信に想いがゼロだと、現場も想いがゼロになって、だんだん事務的なCS活動になってしまう。そこで、データを発信する時はがんばっている店舗の取り組み事例も一緒に掲載するなど、継続的に「こういう活動をしたいんだ」という想いを届けるように気をつけています。投稿内容が具体的になってきたなど少しずつ変化を感じています【図5】。
【図5】CSスコア(全店平均)は右肩上がりで推移
―今後の展開について教えて下さい。
最近は店舗から出てくる議事録がより深く具体的に書かれるようになってきたりと、少しずつ手応えを感じています。今後は店長コンテストなどの表彰基準にも活用できたらと考えています。評価に使われるとやる気も高まるし、意識も高まります。前向きな気持ちで取り組み続けられる工夫を取り入れて、参加したくなる環境を作っていきたいと思います。
「アルバイト2,256名を巻き込んだCS改善」を成功させた鎌倉パスタ様では、
『ミステリーショッピングリサーチ』が利用されています!
※CS改善をサポートするツール『tenpoketトーク』の資料こちらからダウンロードできます⇒
取材日:2022年3月4日
取材:MS&Consulting 外食事業部 コンサルタント 角俊英
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。
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