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Zoff(ゾフ)の成長を支えてきた「店長研修」とは?

眼鏡を気持ちや生活を豊かにするものとして世の中に提案し続けてきた、株式会社ゾフ。眼鏡の新しい可能性を切り拓いてきた同社は、2001年に下北沢に1号店をオープンしてからわずか19年で300店舗を突破。その成長の陰には、店舗の要である「店長」を支えるさまざまな本部の取り組みがあります。今回は、同社の店長研修の狙いやプログラム開発のポイントについて、店舗人材・OP開発部  チーフの川畑氏、また、研修開発に共に携わった弊社小売チーム  マネージャーの新田氏にお話を伺いました。

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多店舗展開を支える「店長研修」へ

―今回、店長研修を大幅に刷新されました。目的を教えて下さい。

川畑氏:Zoffはこれからも店舗数を増やしていく予定ですが、店舗数が拡大しても現場力は落とさず、お客様に高い価値を提供できるブランドであり続けたいと考えています。私たちはその要は「店長力」だと捉えています。

ところが、現在の店長研修はまだ数十店舗の時代に作りあげたもので、300店を超えた現在の状況に合っていない部分がありました。そこで、このタイミングで多店舗運営のベースを支えるための教育体系を再構築すべきだと判断し、店長研修の刷新に取り組みました。


研修の一部を弊社に外注されました。どのような判断があったのですか?

川畑氏: 店長研修を刷新するにあたって、店長に必要な要件やスキルを年次別に改めて整理しました。その中で、リーダーシップやコミュニケーションといった「人のマネジメント」に関わるスキルについては、社内に整理されたノウハウがないことに気がつき、御社に依頼することにしました。また、外部講師にすることで説得力が増すテーマだと判断したことも外注を選んだ理由です。

その中で、MS&Consulting社とは、もともと覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」従業員エンゲージメント調査「tenpoketチームアンケート」でお取り引きがあり、データやコンサルティング経験に裏づけられた店長向けのノウハウをお持ちだと感じていましたので、ご依頼することにしました。
 

お話を伺った、研修開発を担当している株式会社ゾフ 店舗人材・OP開発部  チーフ  川畑氏
お話を伺った、株式会社ゾフ 店舗人材・OP開発部  チーフ  川畑孟留氏

各プログラムの相乗効果で「現場力強化」を目指す

今回の研修プログラムの開発ポイントを教えて下さい。

MS&Consulting新田氏:目的を伺うと「店長研修の体系化」がゴールのひとつであることがわかりました。そこで、個々の研修が完結されたものであるのはもちろん、複数の研修が組みあわさることで相乗効果を発揮するようにプログラムの開発を考えました。

具体的には、【図1】のように整理しました。スキル群1は、コミュニケーションスキルを獲得するための研修グループです。「伝える」「褒める」「質問する」「報告を受ける」 など、すべての場面で基盤となるコミュニケーションスキルの獲得を目指します。

スキル群2では、「ミーティングや1on1といった場の運営に必要な知識」や「教育・マネジメントスキル」に焦点を当てています。これらの研修では知識を伝えるだけでなく、スキル群1で学んだコミュニケーションスキルにも繰り返し触れ、実際に使いこなせるように導いています。例えば、1on1研修では、1on1で話すべきテーマや時間の使い方だけでなく、「質問する」「聴く」といったスキル1群で学んだコミュニケーションスキルを1on1の中でどう活かせばいいのかを体験できるプログラムとして設計しました。

【図1】各プログラムが相互につながるように設計
ゾフの多店舗展開を支える店長研修全体像


そして、スキル群3では、店舗ビジョンの設計について学びます。スキルの習得は店舗が目指すゴールを達成するためです。例えば、ルールやモラルを徹底すべきタイミングなのか、それとも、スタッフの自由な発想を育てたいタイミングなのかで、取るべきマネジメントスタイルは変わります。学習内容を自店舗のゴールにあわせて使いこなしてもらうためのプログラムです。

このように、各スキルが単独でも役立つのはもちろん、統合することでより大きな成果を生み出すように設計を工夫しました。

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「行動の変化」を促す研修プログラムのポイント

―個々のプログラム設計で工夫した点も教えて下さい。「クレーム対応研修」のポイントは何ですか?

MS&Consulting新田氏: 「起きてしまったクレームへの適切な対応方法」だけでなく、「クレームを予防する方法」についても力点を置くようにしました。クレームは氷山の一角です。その陰にたくさんのクレーム予備軍とも言える「ヒヤリハット」があります。

そこで、覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」に集まったお客様コメントの中から「もやもやした気持ちになりました」という体験コメントを整理し、ケーススタディとして活用することで、お客様の立場に立って考える力を養う指導方法を学べるようにしました。クレームは突然起きます。起きたらどう対応するかだけでなく、お客様目線で考える力を日頃から養うことが重要だと考えています。


◆クレーム予防にも活かせる!覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」詳しくはこちら>>

 ―年次別プログラムの中で特に「ベテラン店長研修」のポイントを教えて下さい。

MS&Consulting新田氏:ベテラン店長向けのプログラムでは、分析力や問題解決力を高めるためのテーマに多めの時間を割くようにしました。マニュアルは基本的な指針を提供するものの、すべての状況に対応できるわけではありません。店舗毎に異なる状況を的確に分析し、最適な解決策を見つける力が店長には必要と考えてのことです。

また、 ベテラン店長の多くは、これまでの成功体験に基づいたやり方や自分が信じるやり方を持っています。自分のやり方があることは良いことであり否定すべきではありませんが、新しい方法を実践してほしい局面では、行動の足かせになってしまうことがあります。

そこで、研修プログラムの中で特に重視したのは『はっとする瞬間』をどれだけ作り出せるかです。今回は、従業員エンゲージメント調査「tenpoketチームアンケート」の結果を活用しました。調査結果を通して、店長は部下が感じていることや意見に直面し、自身の考え方やアプローチを見直すきっかけをつかむことができます。川畑様とお打合せを重ねることで、ゾフ様にフィットした研修になったと思っています。

【図2】ベテラン店長向け研修・テキスト事例

◆店長の可能性を引出す!従業員エンゲージメント調査「tenpoketチームアンケート」詳しくはこちら>>

店長一人ひとりの「経営者意識」が育つ研修体系へ

店長研修が終わりました。感想を教えて下さい。

川畑氏:新任店長は外部研修を受講するのは初めてです。我々にはない情報に触れることができ新鮮な気づきを得ていたと思います。ベテラン店長は、やはり従業員エンゲージメント調査結果への関心が非常に高かったですね。スタッフのリアルな声に多くの気づきを得たようです。そこから店長同士のノウハウ共有の場となったことも良かったですね。

―店長研修の今後に向けてお考えのことを教えて下さい。

川畑氏: 研修コンテンツをより充実させ、店長一人ひとりが「お店の経営者」の意識で店舗運営に臨めるようにしていきたいですね。


ゾフ様も活用!店舗ビジネスに特化した『店長・管理職向け研修プログラム』



※取材日:2024年7月17日
※編集:MS&Consulting コンテンツ開発 児玉彩子
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。

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