コロナ禍でも過去最高売上を更新、躍進の土台は‟ES重視”のマネジメント ◆コメダ珈琲店 福岡那珂川店◆
新型コロナショックの大きかった飲食業界にあって、過去最高売上を更新した「コメダ珈琲店 福岡那珂川(ふくおかなかがわ)店」。その土台にあるのは高い従業員満足度だと言います。どのような店舗マネジメントをされているのか、西村麻美店長、坂本マネージャーに取材しました。
―「従業員満足度」「顧客満足度」が共に高いです※。どのようなことを大切にしていますか?
西村店長:「みんなの気持ちや向かっていく場所の統一」や「みんなの意見でお店づくりをすること」を大事にしています。そのため、パートアルバイトスタッフも含めた店舗ミーティングを月1回開催しています。全員を集めるのは中々大変ですが、2グループに分けて開催したり、参加できないスタッフには事前に考えを聞いておいたりと、みんなの意見を吸い上げられるように努めています。
※弊社実施「従業員エンゲージメント調査(tenpoketチームアンケート)」のスコアはサービス業全調査の上位16%、「顧客満足度調査(ミステリーショッピングリサーチ)」は100点満点中96点以上を維持。
お話を伺ったコメダ珈琲店 福岡那珂川店、西村麻美店長
―ミーティングはどのような内容で行っていますか?
西村店長:ミーティングの内容は大きく2つです。
1.店舗方針を「毎回」伝える
冒頭で「笑顔・みんなで協力・お客様に喜んでもらう」という店舗方針を必ず伝えています。毎回、繰り返し伝えるようにしています。何のために働くのか、どのように働くのか、″みんなの気持ちの統”一が大事だと考えているからです。
《ミーティング資料》
※人前で話すことが苦手という西村店長。伝える内容を事前にまとめてミーティングに臨む。
2.「スタッフ参加型」で決める
店舗運営を改善するための取り組みについても話し合っています。先月は忙しい時の動き方についてポジション別に整理しました。
MS&Consultingさんから定期的に届く顧客満足度調査(ミステリーショッピングリサーチ)も課題を整理するのに使っています。毎回違う方が書いてくれますが、「お好きなお席にどうぞは不親切だと感じた、空いている席を教えて欲しかった」と何回か書かれるなど、私達の当たり前がお客様にとっては違うんだということに気づいたりします。
ミーティング進行で大切にしているのは、スタッフの意見を聞きながら取り組みを決めることです。「〇〇という課題があるけど、みんなはどう思う?」と質問して、順番に意見を言ってもらってから取り組みを決めています。
《那珂川店の従業員満足度スコア》
※スタッフ参加型の店舗運営で「実行力」「継続力」のスコアも高まっている。
このようにミーティングが、「みんなの向かっていく場所の統一」「スタッフ参加型の店舗運営」につながるように進行を工夫しています。
―ミーティング以外に取り組んでいることはありますか?
西村店長:「みんなの気持ちや向かっていく場所の統一」については、営業中の声かけも意識しています。繰り返し伝えることが大事だからです。
例えば、
褒める時▶〇〇をお客様が喜んでいたよ!ホスピタリティを持ってお客様に接してくれてありがとう
改善して欲しい時▶自分がお客様だったら今の接客をどう思う?
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といった言い方をして、店舗方針と一貫させるように努めています。
―躍進の土台にスタッフから店長への強い信頼があると感じます。どのようなことを意識していますか?
西村店長:以前ある店長の元で、とてもやりがいを持って働いていました。営業中でも声をかけると必ず近くまで来てくれて真摯に話しを聞いてくれる、そんな方でした。私がその時に感じた働きやすさを今度はスタッフにも感じて欲しいと思って幾つかのことを意識しています。
1.「毎日」「全員」に声かけ
スタッフのことは、家族構成や誕生日、犬の名前まで覚えています。そして、「今日は誕生日だね」とか「仕事ぶりが長女っぽいよね」などの声かけをたくさんしています。業務以外のコミュニケーション含め、たくさんコミュニケーションを取るようにしています。
2.頼まれたことは「即実行」
スタッフから「こうして欲しい」と言われたことは絶対に実行します。「できることは即実行」がモットーです。
例えば、レジに仕舞うお札の向きなど細かいことでも相談してくれたスタッフにとっては重要なことです。流したり忘れたりせずに絶対に実行しています。
シフトの希望も全部聞きます。希望通りにシフトを組むと埋まらない日が出てきますが、普段こちらが‟頼まれたことは即実行”の姿勢だからか、スタッフに「この日出れないかな?」とお願いすると誰かが対応してくれます。
坂本マネージャー:彼女のすごいところは声かけのパターンをたくさん持っていることです。そのため、スタッフとの会話量が圧倒的で、その点が従業員満足度スコアにも反映されています。業務内容を外れた部分のコミュニケーションの大切さを改めて感じます。
―圧倒的な「従業員満足度」です。業績につながっていますか?
坂本マネージャー:那珂川店を見ていると「従業員満足度は業績に直結する」と確信できます。那珂川店は高い従業員満足度を土台に、顧客満足度も高い水準を維持してくれています。結果、本部クレームはゼロですし、コロナ禍という厳しい条件の中でも過去最高売上を更新してくれています。
西村店長:面接に来てくれた方が面談後のアンケートに「スタッフさんが楽しそうに働いていたからここで働いてみたいと思った」と書いてくれることがあります。雰囲気の良さは採用にもつながっていると思います。
スタッフが満足していれば、その満足をお客様に返していってくれると思っています。スタッフが働きやすいお店を今後もつくり続けたいと思います。
株式会社コメダ様では、定額でアルバイト満足度まで調査できる
従業員エンゲージメント調査「tenpoketチームアンケート」が利用されています
取材日:2021年11月2日
取材:MS&Consulting コンサルタント 北村裕介
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。