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新型コロナショックからのスピード再起動、 鍵を握るのは『エリアマネジメント改革』  ~株式会社タカハシの挑戦~

株式会社タカハシ
https://www.takahasi.co.jp/company/

娯楽の無い町に娯楽を届け、人々の暮らしに笑顔の輪を広げる、その想いで北海道を中心に67年以上にわたってカラオケ事業等を展開してきた株式会社タカハシ。新型コロナショックの影響が甚大だったカラオケ業界において迅速な復活を果たす鍵は、「圧倒的な顧客満足度の実現」と「そのためのエリアマネジメント改革」にあると言います。同社、代表取締役社長の髙橋洋一氏、DX推進部  取締役部長  関井督氏の両名にお話しを伺いました。


Q.エリアマネジメント改革に着手されたのは何故ですか?

髙橋社長:このコロナ禍が明けた時に迅速に復活できるよう、現場の戦闘力を高めておくためです。

第1回目の緊急事態宣言の頃から「カラオケ店は感染しやすい」というイメージが流布し始め、お客様のカラオケ業界への信頼を回復することが急務となりました。当社も用意していた戦略はすべて捨て、感染防止を最重要課題として対応してきました。

ただ、感染症対策はお客様に伝わらなければ意味がありません。マニュアルの整備・徹底だけでなく、QSC(クオリティ・サービス・クレンリネス)すべての徹底が必要でした。では、いざ各店のQSCを見直しましょうとなった時に

  • 各店のサービス品質に凹凸がある
  • エリアマネージャーの能力に凹凸がある
  • 臨機応変な判断が必要な中で「自分で考えられるエリアマネージャー」が少ない

といった課題が浮き彫りになりました。コロナ以前は好調な業績の影になり見えていなかった「自社の弱み」がコロナ禍で明らかになったのだと思います。

コロナ禍が落ち着いた時に迅速に復活するためには、お客様のリピート来店につながる「圧倒的なQSC」が鍵となります。その要となるエリアマネジメントが弱いのは大きな課題でした。

「カラオケ店は感染しやすい」という印象が広がっていて攻めの戦略が取れなかったこともあり、今は守りの時期、現場の戦闘力を高める時期にすることを決断、「tenpoketクラウド(MS&Consulting提供)」を使ったエリアマネジメント改革を推進することを決めました。

[画像]代表取締役社長 髙橋洋一
お話しを伺った株式会社タカハシ、代表取締役社長  髙橋洋一氏


Q.エリアマネジメント改革、どのような成果を実感していますか?

髙橋社長:何人かのエリアマネージャーは自分で考えることができるようになってきました。コロナ禍となって自分で判断しなければならない状況が増えていますが、その時の判断レベル・スピードが上がってきています。

数値面では、「タスク完了率(臨店で指摘された改善タスクの完了率)」が全エリア平均で90%を超えるようになってきました。結果、KPI(重要業績評価指標)の1つである「顧客満足度調査・再来店意思満点比率」も75%を超える月が出てきました。

「再来店意思満点比率」の変化

【顧客満足度調査・成功事例】再来店意思満点率・推移グラフ
※再来店意思満点率:顧客満足度調査の設問「このお店をまた利用したいと思いましたか」で満点を獲得した割合。


圧倒的な顧客満足度の背景にあるのが、
高い「タスク完了率(2021年4月~5月)」

タスク完了率:臨店で指摘された改善タスクの完了率

タスク完了率【グラフ】


Q.エリアマネジメント改革、まず何から始めましたか?

髙橋社長:「方針」とそのために何の数字を重要視するのか「KPI(重要業績評価指標)」を整理して発表しました。この方針・KPIは毎月継続して伝え続けています。社長講話を紙で送る、オンラインでつないで話す、動画で伝える。リアルに会うことができない条件の中で、どうしたら伝わるか毎回チャレンジしています。

 年初の方針発表資料
年度方針発表資料【画像】
※頂いた資料をもとに弊社編集。


Q.エリアマネジメント改革、具体的な取り組み内容を教えて下さい。

関井部長:エリアマネジメント業務の一部をオンラインで実施できるようにしました(MS&Consulting社のtenpoketクラウドを活用)。

【1】 臨店&臨店レポート登録

モバイルでの臨店レポート作成が可能になったため、臨店しながらその場でレポートを作成。解決してほしい課題は「タスク」に登録。

SV臨店レポートサンプル【画像】


【2】 タスク実行&報告

店舗スタッフは「タスク」に登録された課題を実行、報告。

SV臨店レポート_タスク管理画面【画像】


【3】未実行タスクの確認

未実行タスクは、「トーク」に自動で届く。状況確認の手間を省ける。

SV臨店レポート_タスク納期遅れ自動アラーム機能【画像】


【4】フォロー

オンラインでも実行の催促することが可能。エリアマネジメントでは臨店後のタスクの後追いが大変となる点をサポート。

SV臨店レポート_納期遅れタスク催促機能画像】
※「tenpoketクラウド」活用画像はすべて弊社作成。個人名や数値は架空のものです。


【5】データ活用

これらのオンラインエリアマネジメント活動から得られる「臨店点数」「タスク完了件数」といったデータは毎月配信して見える化。また、その他の様々なデータとの集約も推進中。一層の迅速な経営判断が必要となったコロナ禍において、経営判断にデータを活かせる体制を構築中。


お話を伺ったDX推進部  取締役部長  関井督氏


Q.「tenpoketクラウド」というツールを上手く使えているのは何故でしょうか?

関井部長:「目の数」を絞ったことが大きかったと思います。

これまでエリアマネージャーは問題の「発見」と「解決」の両方を担っていましたが、今回、インスペクター(検査官)という新しい役職をつくり、

・問題の「発見」はインスペクターの役割
・問題の「解決」はエリアマネージャーの役割

と仕事を分割しました。インスペクターは原則私1人が担当しています。「目の数」を絞ったことで、良し悪しの判断が統一され、全店のサービス水準が整ってきました。

問題の「発見」と「解決」を分業
SVマネジメント改革_SVの生産性を高めるためのインスペクター制度【説明画像】


髙橋社長:間違いなく陣頭指揮を執るメンバーの「人選」が成功ポイントです。我々も初めは軽く考えていましたが、振り返ると取締役部長の関井でなければ上手くいかなかったと思います。

彼を選んだことで、「これは非常に重要な施策だ」と伝わり強力な推進力となりました。また、今起こっている問題は間違いなく過去に原因があります。ですから、それを調べに行く必要がありますが、コロナ禍において‟時間がかかる”は致命傷。彼のあたりのつけ方が非常に良い。「問題の真の原因をスピーディーに掴める人選」は1つのポイントだと思います。


Q.今後に向けて考えていることを教えて下さい。

髙橋社長:ご来店頂いたお客様を点から線にする打ち手は進んでいます。圧倒的な品質のQSCを提供する、アプリ会員になって頂く、再来店を促すという一連の施策です。現在進めている「エリアマネジメント改革」がその土台です。それ以上の攻めの一手は感染状況次第での判断になるかと思います。コロナ禍が明けることを前提に、現場の戦闘力を高め、お客様に選ばれる店舗づくりを続けたいと思います。


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※取材日:2021年6月22日、7月15日
※取材:株式会社MS&Consulting  シニアコンサルタント 湯瀬圭祐
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。

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