経営理念は教えるものではなく、社員同士が伝えあうもの
有限会社アパカバール
代表者:中野 訓延 代表取締役
所在地:大阪府堺市東区北野田100-1
設立年月:1998年6月
会社ウェブサイト:http://www.apakabar-co.jp/
事業内容:美容室運営
展開するブランド:ApaKabar(アパカバール)、LaVie(ラヴィ)、BeautyNail(ビューティーネイル)、BeautyEye(ビューティーアイ)
社員数:正規67名、パート・アルバイトなど5名
『季刊MS&コンサルティング 2015年冬 特別号「サービスの強化書」』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
有限会社アパカバールは、1998年に一号店となるヘアサロン「アパカバール」のオープン以降、南大阪エリアで着実に店舗数を拡大。2014年4月には、 これまでのノウハウを結集する形で、大型のトータルビューティサロン「LaVie」をオープンした。同店は、オープンからわずか4カ月で4千人を超える新 規顧客を獲得し、地域最大のサロンとなっている。
同社のサロンには、ヘアだけではなく「お客さまの美をトータルでプロデュースする」役割を担うビューティ・コーディネーター(以下、BC)と呼ばれるス タッフが存在する。BCは、一般のヘアサロンではスタイリストが担当するカウンセリングや次回来店タイミングの調整を行うだけではなく、時には顧客が直接 言いにくい担当スタイリストへの不満や要望を伺うなど、サロンを利用する顧客の満足度を最大限に高めることを目指して接客にあたっている
2014年4月にオープンしたLaVieの店内。オープンから4カ月で4,000人を超える新規顧客を獲得した、地域最大のトータルビューティサロン。
共有こそが強い組織を作る
同社では、経営や店舗の運営にあたって「共有」という考え方を大切にしており、代表を含めた経営幹部とスタッフ全員で「時間」「想い」「ビジョン」「理 念」「会社状況」の5つを常に共有する仕組みが創られている。「会社状況の共有」に関しては、売上や利益はもちろん、幹部や代表の給与に至るまで、すべて をオープンにしている。すべてを共有することで、スタッフは会社の方向性や自分の未来を具体的にイメージすることができ、またそれが目標達成に向けてそれ ぞれの役割を全うする強い責任感へと繋がっている。
ビューティ・コーディネーターは顧客に寄り添うスタッフとして、顧客の美しさをさらに引き出すためにお悩みやなりたい理想を細かく聞き出しカウンセリングを行う。
会社や仲間への感謝
同社では、入社式に始まり、全体合宿、幹部合宿、方針発表会、慰安旅行、忘年会、新年会と多岐にわたるイベント が開催されるが、そのすべてに理念教育の側面を持たせており、方針発表会や合宿では「顧客にどうやって理念を実践できるか」を考え、慰安旅行や忘・新年会 ではスタッフ同士で感謝の気持ちを伝えるといったように、幹部はもちろん、スタッフ全員が、同社の理念である「感謝・感動」を体現する場として臨んでい る。
こうした取り組みの結果、同社では理念を体現したエピソードに事欠かない。あるスタッフが病気で1年間休業した 際に、同社は休業期間中も通常と同じ給与を支払い続けた。この決定は代表だけではなく、「共に働く仲間への感謝の気持ちを示したい」というスタッフ全員の 総意によるものだという。その後復職したスタッフが、今度は「会社や仲間への感謝」を自分を支えてくれたスタッフだけではなく、新しく入社したスタッフに も伝えるといったように、同社の理念は上から与えられるものではなく、自発的なものとして、さまざまな場面で実践されている。
こうして顧客や共に働く仲間といった周囲のすべての人々に対して「感謝・感動」の想いを持ったスタッフが提供するサービスが、同社の高い顧客感動満足の礎となっている。
お客さまの素材の美しさを最大限に引き出す為に、アパカバールでは、最新の知識や商品を常に取り入れ、いつも新しい技術をご提供出来る事を大切にしている。