コロナ禍の『試食販売』にまだ抵抗ある?【消費者のホンネ】
新型コロナに対する消費者の危機感が徐々に低下してきている現在、スーパーやデパ地下などにある惣菜やスイーツ・パンの専門店で行われている『試食販売』について一般消費者はどう感じているのでしょうか?ネットリサーチを用いて調査しました。(調査日:2021年6月20日~23日、回答数:1056名)
- 「試食販売」に抵抗がある人は55.8%と過半数
- 「試食販売に対する抵抗感」は「居酒屋利用に対する抵抗感」と同程度の水準で、男性よりも女性の方が抵抗感が高い
- 「自分が手に取るまでの管理に不安を感じる」と抵抗も感じやすい
※調査日:2021年6月20日~23日、回答数=1056、対象:覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」のモニター会員
1.「試食販売」に抵抗がある人は55.8%と過半数
まず「試食販売」に対する抵抗感について調査しました。結果、図1のように「非常に抵抗を感じる」という人は全体の11.8%、「どちらかというと抵抗を感じる」までを含めた"抵抗を感じる側"の比率は全体で55.8%と半数を超えていることが分かりました。
図1 「試食販売」に対する抵抗感の分布
※設問:スーパーやデパ地下などにある惣菜やスイーツ・パンの専門店で「試食販売(試食を勧められる)」ことについて、抵抗を感じますか?
2.「試食販売に対する抵抗感」は「居酒屋利用に対する抵抗感」と同程度の水準で、男性よりも女性の方が抵抗感が高い
次に、試食販売に対して抵抗を感じる人の割合が55.8%となっているのは、高いのか低いのかを判断するため、「他のサービス利用」と比べてみました。比較対象は、同じアンケート内で聞いた、以下の5つのサービス利用に対する抵抗感です。
- 居酒屋の利用
- ファストフード店の利用
- ドアを開けずに換気
- 他人が手に取る商品の購入
- ビュッフェ形式での食事
その結果、「試食販売に対する抵抗感」は「居酒屋利用に対する抵抗感」と同程度の水準であることが分かりました。また、男性よりも女性の方が抵抗感が強く、20代・30代よりも40代や50代の方が抵抗感が強くなっていました。
図2 各種サービスにおける“抵抗を感じる側”の割合
抵抗を感じる側 … 「非常に抵抗を感じる」から「どちらかといえば抵抗を感じる」までの合計比率
図3 性別・年代別「試食販売」に抵抗を感じる比率の比較
3.「自分が手に取るまでの管理に不安を感じる」と抵抗も感じやすい
抵抗を感じるかどうかについて、その理由をコメントを見てみると抵抗を感じる人のコメントには「自分が手に取る前にどんな管理がされていたのかが分からない」と考え、その不安から抵抗を感じているという特徴があることが分かりました。
一方、少数派ではあるものの、抵抗を感じない人のコメントを見てみると「小売店はきちんと感染症対策をしていそう」「自由に取れるところに置いてあるのは不安だが、信頼を感じるスタッフさんから直接手渡されるなら大丈夫そう」といった、お店やスタッフに対する信頼感によって抵抗を感じにくくなることが分かります。
これらのデータやコメントを分析すると、試食販売の再開にはまだ時間がかかりそうですが、若い男性がターゲットの場合はまだ可能性があると考えられます。また、今後再開していく場合も、「目で見た時に適切に管理されていたと感じられる状態」であることが特に重要だと考えられます(例:目の前で個別包装の袋を開けるなど)。
【“抵抗を感じる”人のコメント】
|
【”抵抗を感じない人”のコメント】
|