“見えないコロナ対応”はお客様の不安を解消しない
弊社実施のミステリーショッピングリサーチ(覆面調査)に寄せられたコロナ対応に関するお客様のコメントを分析すると、店内換気やスタッフの検温など、「見えないところで行っているコロナ対応はPRしないと一部のお客様の不安を解消しない」という事実に気づきます。ここからわかることは、‟自社が行っているコロナ対応策がお客様に確実に伝わっているか“をチェックすることが非常に大事であるということです。
1.自社のコロナ対応策はお客様に伝わっているか
ウィズコロナにおける店舗営業のポイントを整理すべく、6月前半に店舗型のサービスを利用したお客様に行ったアンケートの結果を分析してみました。
【利用データ】
アンケートには、「Q.感染症の心配なく店舗を安心して利用できると感じましたか」という設問がありますが、この問いに対する回答割合は下記の通りとなりました。
Q .感染症の心配を感じましたか?
お客様が「このお店の感染症対策は非常に不安」と感じたケースは全体の6%でしたが、コメント欄を読み込むと対策が明らかに不十分だったためだということがわかります(下図参照)。
[非常に不安に感じた理由・コメント例]
「感染症対策が非常に不安」の評価になった時は、対策に不足がないか入店から退店の一連の流れの見直し、もしくは、現場の実行度を下げている原因の分析と対策が必要と考えられます。
残念だったのはそれ以外の評価の時の理由です。お客様のコメントを読んでいると、「コロナ対応をやっているかどうか分からなくて不安だった」というコメントが目につくのです。例えば下記の様なコメントです。
[お客様がやや不安に感じた時の理由・コメント例]
お店ではスタッフがコロナ対策に奮闘しているにもかかわらず、それが伝わらなかったために、「このお店にはたぶんもう来ない」とお客様が評価してしまった。そんな何とも悔しいケースがあるのです。ちなみに特に目についたコメントは、「換気対策しているかわからなかったので不安」「入り口の消毒液があったが気がつかなかった」です。
ではどうしたらいいのか?答えはシンプルです。それは、
見えないところで行っているコロナ対応策は、お客様が不安に感じるその場所で伝える手段を考える |
です。
例えば、久しぶりの店内利用に緊張感が高まる入口ドア付近。私が愛用している近所のスターバックスでは入口付近に、どんな対策をしているのか告知するポスターがなんと3か所も設置されています。まずドア前にA看板があり、次にドアの目線位置にポスター、最後に消毒液設置台の下にもポスター掲示という徹底ぶりです。「Welcome,We are happy to see you!」という言葉も添えてあり、心が温まった記憶があります。
また、台湾では「検温済みバッチ」をスタッフがつけて接客している飲食店があります。お客様はスタッフと接する時に無意識に「このスタッフさんは大丈夫かな」と身構えるもの、その消費者心理を汲み取った秀逸な対策だと思います。
さて、ここまでのまとめです。
スタッフの皆さんの頑張りを無駄にしないためにもぜひ下のような枠組みで自社のコロナ対応を一度チェックしてみて下さい。
[状況整理のためのフォーマット]
2.コロナ対策PRポスター
心ばかりですがコロナ対策PRポスター事例を作成しました。こちらを参考に自社にあった掲示物を作成頂くことで、この忙しい時期、少しでも時間の短縮につながれば嬉しく思います。
[コロナ対策PRポスター事例]
3.まとめ
さてここまで繰り返し「実施しているコロナ対応策はお客様に伝えて!」と主張してきましたが、そう強く思う理由があります。それは、コロナが不安だから店舗を利用しないというお客様がまだ一定数いることがアンケート調査からもわかっており、故に、徹底した感染症対策をしていることがお客様にきちんと伝わるかで売上戻り率が変わると信じているからです。
弊社では覆面調査データという事実をもとにしたコロナ対応最前線レポートを定期的に届けていきます。多大な情報が溢れ、何が正しいのか判断に迷うこともあるコロナ対応、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。