お客様はコロナ禍で「行ったことのない飲食店」には行きづらくなっている! リピート率がより重要指標に。
3度目の緊急事態宣言は延長され、まん延防止等重点措置の対象も広がるなど、飲食店にとって厳しい状況が続いています。しかし、そのような中でも客足が途絶えない飲食店が存在しているのも事実です。何が違いになっているのでしょうか?消費者意識調査のデータ分析から1つの仮説をご紹介します。
※調査:2021年4月20日~4月26日(n=1228)
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外食をしないと答えた人は全体の13.8%、86.2%は外食すると回答
今回の調査1228名の回答から、「今後1ヶ月は外食に行かない」と答えた人は全体の13.8%にとどまっていることが分かりました。性別・年代別に比較すると、20代男性(6.0%)・30代男性(4.7%)・20代女性(9.3%)は外食に対する抵抗感が特に小さく、多くの人が「外食に出たい」と思っていることが分かります。
【図1】「今後1ヶ月は外食に行かない」と回答した比率
※設問:あなたは今後1ヶ月間で外食をするなら、どんなお店に行きますか?で「外食することはない」を選択した比率(括弧内は回答数)
これは新型コロナに対する危機感と同じ傾向になっており、感染症に対する危機感と外食に行きたい気持ちが連動していることが分かります。
「普段からよく行くお店」「感染症対策がきちんとされているお店」を選ぶ傾向が強まっている
「コロナ禍でも外食に行きたい」と思っている8割強の方々に対して「どんなお店に行きたいですか」と聞いたところ、男女ともに最も多かったのが「普段からよく行くお店」となっており、次いで男性は「自宅近くのお店」、女性は「感染症対策がきちんとなされているお店」の順に多くなっていました。
特に女性は、飲食店を選ぶ基準として「安心感」を重要視している傾向が顕著です。これは2回目の緊急事態宣言時に行った調査(こちら)でも同様の結果となっており、この傾向が定着していく可能性があります。
【表1】今後1ヶ月間で外食をしたいと思うお店の条件(複数選択可)
※設問:あなたは今後1ヶ月間で外食をするなら、どんなお店に行きますか?で各選択肢を選択した比率(複数選択可)
コロナ前と比較すると「行ったことのないお店」を選ぶ割合が激減、「行きつけのお店」になることの重要性が増している
飲食店を選ぶ基準について、コロナ前と比較して大きくその割合を下げていたのが、「行ったことはないが○○なお店(以下3つの選択肢)」です。
・行ったことはないが口コミや評判が良いお店 |
コロナ前と比べて半分以下となっていました。コロナ禍においては「行ったことないけど魅力的なお店」よりも「普段から行っていて安心感のあるお店」が選ばれていることが分かります。
【図2】「行ったことはないけど○○なお店」に行きたいと思う比率
特に女性でその傾向が顕著で、飲食店に行くなら「行ったことはないけど魅力的なお店を選ぶ」と回答した人は、コロナ前だと78%にのぼりましたが、コロナ禍においては34%と40pt以上低下しています。
この結果から分かることは「お客様の行きつけのお店になることの重要性がコロナ前よりも高まっている」ということです。始めてのお店への来店を躊躇するお客様が増えている中では、今来ているお客様のリピート率、来店頻度を高め、お客様にとっての「お気に入りの行きつけのお店になる」「常連様を増やす」、その正攻法とも言えるやり方に改めて注目する必要があると言えます。
【表2】男女別「行ったことはないけど○○お店」を選んだ比率
【調査概要】 調査期間:2021年4月20日~4月26日 調査対象:ミステリーショッピングリサーチに登録している調査員 回答者属性割合:性別、年代、エリア(1都3県、それ以外)がほぼ均等になるように実施 |