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「レジゴー」をお客様はどう評価している? スーパーマーケット業界における新しい決済システムの可能性を探る。

決済方法のデジタル化が急速に進んでいるスーパーマーケット業界。イオン系列のスーパーマーケットでは「レジゴー」という先進的な決済方法の導入が始まりました。そのような先進的な決済方法ついて一般消費者はどう感じているのでしょうか?ネットリサーチを用いて調査しました。

※レジゴー:顧客は専用スマートフォンを借り、お買物しながら購入する商品をスキャン、レジに並ばずに決済できる。


今回のポイント


  1. 「レジゴー」を4人に1人は見たことがあり、そのうち約3割が実際に使ってみたことがある
  2. レジゴー導入によって「一度行ってみよう」と思う人は4割強と一般消費者の興味は高く、年齢や性別による差は小さい
  3. 生活圏内にあることが前提条件だが、普段使いのスーパーにあったら嬉しいという意見も多く見られた

※調査日:2021年4月20日~26日(n=1228)


1.「レジゴー」を4人に1人は見たことがあり、そのうち約3割が実際に使ってみたことがある

まず「レジゴー」の認知度と利用率について調査しました。結果、図1のように「見たことがある」という人は全体の24.3%、その中で「利用したことがある」と答えた人は29.8%となっていました。「レジゴー」を見たことがある人の中で実際に利用した経験がある人は全体の約3割にとどまっていることが分かります。


図1 「レジゴー」を見たこと、利用したことがあるか

図1「レジゴー」を見たこと、利用したことがあるか

※設問:あなたはイオン系列のスーパーマーケットで「レジゴー」を利用したことがありますか?


2.レジゴー導入によって「一度行ってみよう」と思う人は4割強と一般消費者の興味は高く、年齢や性別による差は小さい

次に、レジゴーの導入が来店動機につながるかどうかを調べるため「普段利用していなかったスーパーでレジゴーが導入された場合、気になるから一度行ってみようと思いますか?」という調査を行いました。

結果、「レジゴー」を導入したお店に行ってみたいと思う人は全体の43.5%になることが分かりました(まさにそう思う/まあそう思うと回答した人)。また、この傾向は性別や年代によって大きな差がないことから、20代・30代だけでなく40代や50代の利用者にとっても期待感が大きいものであると考えられます。


図2 レジゴーを導入した店舗に行ってみたいと思う人の割合

図2 レジゴーを導入した店舗に行ってみたいと思う人の割合

設問:普段利用していなかったスーパーでレジゴーが導入された場合「気になるから一度行ってみよう」と思いますか?


図3 性別・年代別「レジゴー」を導入したお店に行ってみたいと思う比率の比較

店に行ってみたいと思う比率の比較

設問:普段利用していなかったスーパーでレジゴーが導入された場合「気になるから一度行ってみよう」と思いますか?で「まさにそう思う/まあそう思う」のどちらかが選択された比率


3.生活圏内にあることが前提条件だが、普段使いのスーパーにあったら嬉しいという意見も多く見られた

「行きつけのスーパー」になるかは、生活圏内にあるか、欲しい商品があるかどうかが大前提に必要ですが、レジゴーに対しての期待感も大きいことがフリーコメントから分かりました。

例を挙げると「レジに並ばないことが良い」という声や「新しい技術に興味がある」と言ったコメントが多く見られました。1年以上続くコロナ禍において「密を避けたい」という感情が定着していく中、加えてレジで待たなくても良い利便性が、消費者にとってもメリットの大きいことであることが分かります。

【コメント例】レジに並ばないことが良い、時間短縮につながる

  • まとめ買いが推奨される中でレジに並ぶ機会も増えたように思います。レジゴーやユニクロのようなカゴでの一括清算は楽で助かります。また、自身のカゴであれば袋詰めの作業もなくなりサッカー台での混雑も防げると思います。(30代男性)
  • 感染症対策としても、時間の有効活用の面でも魅力的なので、普段の行動範囲内にあるお店で導入されたらぜひ普段使いのお店に加えたい。(20代女性)


【コメント例】新しい技術や仕組みに興味がある

  • 新しいものを取り入れるお店だと様々な面で改善策を取ろうとしているお店だと感じるから行きたい。(40代男性)
  • 新しい仕組みが導入されていると人より早く試してみたいと思うので。また、会計がスムーズになるのは良いので。(40代男性)
  • 新しい技術を見てみたいし使い勝手やスムーズさが良ければ頻繁に利用したいから(20代男性)



4.DXは消費者へ受け入れられていく一方、不安も

スーパーマーケット業界では、仕入れや物流だけでなく、顧客接点においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)は進んできました。そして、感染症への対応が更にその流れを加速させています。今後もこういった新しい技術の導入は進んでいくものと思われます。

しかしその時に、実際に利用するお客様からへの対応を行う従業員の存在も忘れてはいけません。「現場で扱うのは人間」という状態は今後もしばらく変わらないと考えられるため「DX化に伴う顧客満足度の変化」や「DX化に伴う従業員満足度の変化」に今後注目が高まっていくことが考えられます。

MS&Consultingでは今後も消費者意識調査を行い、感染症対策と経済活動の両立させるためのヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきたいと考えております。

執筆:(株)MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志

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