【速報①】緊急事態宣言後も変わらない外食のニーズとは?
外食に関する消費者意識調査を2021年1月10日から12日にかけて行いました(回答849名)。再び緊急事態宣言が発出され、消費者の外食ニーズは変わったのか?レポートにまとめました。
- 居酒屋を利用することへの抵抗感は12月から男女共に強まっている
- 「外食に出ようと思っていない」と答えているのは2割弱
- 娯楽を目的とした外食は減ってしまうが「自炊の手間を省く」といったインフラとしての外食ニーズは残る
1.居酒屋を利用することへの抵抗感は12月から男女共に強まっている
居酒屋の利用に対する抵抗感は7月下旬をピークに10月頃まで低下傾向でしたが、そこから徐々に強まって来ていました。そして忘年会の自粛が呼びかけられ始めた12月から男女共に抵抗感が特に強まっており、特に女性の強まり方が急激になっています。
【図1】居酒屋の利用に対する抵抗感の男女別推移
「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、”居酒屋”で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかといえば抵抗を感じる」~「非常に抵抗を感じる」が選択された比率
※いずれもインターネットによるアンケートリサーチ
2.「外食に出ようと思っていない」は2割弱。「自炊の手間を省く」といったインフラとしての外食ニーズは残る
「外食に出る理由」を聞くと、その回答はこの2ヶ月で大きく変化してきています。
「友人、知人とコミュニケーションを取るため」や「非日常感を楽しむため」といった「楽しみ、娯楽」関連の理由が選ばれる割合が大きく下がっています。
一方で「自炊する手間を省くため」「健康に良いものを食べるため」「食べることで生産者を応援するため」といった「楽しみ、娯楽」以外に理由は選ばれる割合が下がっていません。市民の食事を支える、いわば「インフラとしての外食」のニーズは緊急事態宣言後も変わらないことが分かります。また、自分の好きなお店を「応援したい」という気持ちから来店を考える消費者が一定するいることが分かります(コメント例:応援の意味をこめて外食しているので行きつけの店だけに行っています)。
また「外食に出ようと思っていない」と答えた人は、1月10日~12日の調査でも全体の2割弱にとどまっています。つまり、8割以上の人は「外食に行きたい」と思っていることになります。
【図2】外食に出る理由の推移
「現在、外食に出る理由として当てはまるものを以下の選択肢の中から全て選択してください。」に対する回答
選ばれる比率が下がっている
- 友人、知人とコミュニケーションを取るため
- 非日常感を楽しむため
- 連れていく人を楽しませるため
- ストレス発散のため
選ばれる比率が下がっていない
- 自炊する手間を省くため
- 健康に良いものを食べるため
- 食べることで生産者を応援するため
緊急事態宣言が発出されましたが外食に「全く行かない」という人は2割弱にとどまっています。では、8割の人はどういうお店に行こうとしているのでしょうか?以下の記事に解説しています。
MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。
【調査概要】 調査期間(回答数)
ミステリーショッピングリサーチに登録している調査員 回答者属性割合 第3回以降は、男女、年代、エリア(1都3県、それ以外)がほぼ均等になるように調査を行っています。 |