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【アフターコロナはいつから】リバウンド消費はいつやってくる? ~ワクチン接種と経済活動に関する消費者意識調査~

欧米やシンガポールなどではワクチン接種が進んでいることを背景に「経済活動の全面再開」や「行動規制の解除」が宣言され、コロナ前の活気を取り戻しつつあります。日本においても徐々にワクチン接種が進んできていることから、今後欧米の様に経済活動が全面的に復活することが期待されています。そこで、全国の一般消費者モニター調査員に対してワクチン接種と経済活動再開意向の関係に関する調査を行いました。

今回のポイント


  1. ワクチン接種により52.4%の消費者が複数名での外食を今まで通りに戻せると回答
  2. ワクチン接種により54.7%の消費者は国内旅行を今まで通りに戻せると回答
  3. 男性より女性の方が「自分では判断できない」と感じる割合が高い

※調査日:2021年7月20日~24日(n=1,057)

1.ワクチン接種により52.4%の消費者が複数名での外食を今まで通りに戻せると回答

感染拡大防止の観点から、複数名でアルコールを伴う飲食は特に自粛が求められていきました。そうした状況下で「コロナ前の状況に戻るための条件」について消費者に聞いたところ、図1のような分布となりました。反応は大きく分かれた中でではありますが、過半数がワクチン接種の進展によって今まで通り外食に行けるようになると感じていることが分かります。


図1 「複数名での外食(宴会など)」が今まで通りに戻る条件

	図1 「複数名での外食(宴会など)」が今まで通りに戻る条件

※設問:あなた自身の「複数名での外食(宴会など)」が今まで通りに戻る条件として、最も当てはまるものは以下の中でどれだと思いますか? ※%表示は四捨五入


【自由回答より】

  • ワクチンに関係なく、アルコール消毒・マスクの着用・換気である程度の感染を予防することが可能と考えるから。 (20代女性|ワクチン接種していないが、既に今まで通り)
  • 自分自身のワクチン接種が完了していたら、密を避けたりマスクやアルコールなどの感染対策をしていれば大丈夫だと思う。 (30代女性|自分自身のワクチン接種が完了したら)
  • 自身だけでなく周りのお客様もワクチン接種をしていると分かれば安心できる。 (30代女性|ワクチン接種済の比率が今の欧米並みになったら)
  • 会社からも複数名での飲食を避けるよう指示が出ており、自己判断で複数名での会食をした場合のリスクはとりたくない。 (30代女性|政府などから経済活動を全面再開宣言があったら)
  • 以前ほど宴会などに興味がなくなったため。少人数の会食は「政府などから経済活動を全面再開宣言があったら」で戻そうと思います。 (40代女性|今後も戻らないと思う)

2.ワクチン接種により54.7%の消費者は国内旅行を今まで通りに戻せると

外食と同様に自粛が求められている国内旅行についても「コロナ前の状況に戻るための条件」を聞いたところ、図2のような結果となりました。傾向としては、外食と同様に消費者の反応も大きく分かれている中でではありますが、過半数がワクチン接種の進展によって今まで通り国内旅行へ行けるようになると感じていることが分かります。


図2 「国内旅行」が今まで通りに戻る条件

	図2 「国内旅行」が今まで通りに戻る条件

設問:あなた自身の「国内旅行(少し遠い場所)」が今まで通りに戻る条件として、最も当てはまるものは以下の中でどれだと思いますか? ※%表示は四捨五入


【自由回答より】

  • 自分や家族も感染予防行動をとっているし、滞在先でも感染予防に努めているので不安を感じないから。 (30代女性|ワクチン接種していないが既に今まで通り)
  • ワクチン接種が完了したら出かける予定です。ただ、人口の多い都市部には行きたくないというのが本音です。地方に出かけたいです。 (40代女性|自分と一緒に行く人のワクチン接種が完了したら)
  • 都内在住のため県外への旅行の場合は旅行先住民の目が気になる。ワクチンを打っている安心感を国民の過半数が得られた段階であれば、それほど引け目を感じず旅行できる。 (20代男性|ワクチン接種済の比率が今の欧米並みになったら)
  • 公式の宣言があれば、どこに行っても県外移動で白い目で見られることはないと思うので。ただ宿泊先等は感染症対策がきちんとされているところを選ぶと思います。 (50代女性|政府などから経済活動を全面再開(自粛不要)」宣言があったら)

3.男性より女性の方が「自分では判断できない」と感じる割合が高い

同調査の回答を男女別で比較すると、外食と国内旅行の両方において、男性は女性よりも【自分で判断し再開する※1】比率が高く、女性は男性よりも【自分では判断できない※2】の比率が高いことが分かりました。このことから、ワクチン接種比率が高まっていくと男性の方が先に外食や旅行などの消費が増えていくことが予想されます。

※1 選択肢「ワクチン接種していないが既に今まで通り」「.自分自身のワクチン接種が完了したら」「自分と一緒行く人のワクチン接種が完了したら」「ワクチン接種済の比率が今の欧米並み(2回接種済みが50%以上)になったら」を選んだ方を、『自分で判断し再開する考えを持つ方』としてまとめた。
※2 選択肢「政府などから経済活動を全面再開(自粛不要)宣言があったら」「分からない」を選んだ方を、『自分では判断できない考えを持つ方』としてまとめた。


表1 「複数名での外食(宴会など)」が今まで通りに戻る条件(男女別)

表1 「複数名での外食(宴会など)」が今まで通りに戻る条件(男女別)

表2 「国内旅行」が今まで通りに戻る条件(男女別)

表2 「国内旅行」が今まで通りに戻る条件(男女別)

設問:あなた自身の「国内旅行(少し遠い場所)」が今まで通りに戻る条件として、最も当てはまるものは以下の中でどれだと思いますか?(男性:529名、女性:528名) ※%表示は四捨五入。

4.消費者が考えるワクチン接種と経済活動再開の関係とは

今回行った1,057名に対する調査では、過半数がワクチン接種により「複数名での外食」や「国内旅行」を再開できると回答しました。回答にはばらつきがあり様々な意見が混在している中でではありますが、今後ワクチン接種が進むことにより日本においても徐々に経済活動が戻ってくると考えられます。長く続く自粛によって大きな影響を受けてきた飲食業界・観光業界にとって、ワクチン接種が状況を好転させていく大きな要因となっていくことが期待されます。

アメリカやイギリスなどワクチンの2回接種済み比率が高い国では既に経済活動が再開しつつあります。日本においても総接種回数が1億回を超え、8月12日時点での2回接種完了者比率は36.5%に達しました(首相官邸ホームページより)。感染拡大を一定程度抑えることができれば、今年の年末にかけて徐々に経済活動が戻っていくと考えられます。チーム再構築、コロナ後の顧客心理への対応など、リバウンド消費に向けた準備が必要になってきていると考えられます。

MS&Consulting 錦織浩志
MS&Consulting 錦織浩志
東京大学 大学院を修了後、MS&Consultingへ入社。データアナリストとしてビックデータの分析を担当。その知見を活かし、国立研究開発法人 産業技術総合研究所との共同研究の成果として、数々の共著論文を発表。研究テーマ例に「従業員エンゲージメントと顧客満足の関連性分析」「パート・アルバイトの従業員エンゲージメントの特徴」「サービス・ベンチマーキングによるサービス・プロフィット・チェーンの高度化に関する研究(サービス学会BestPaperAward受賞)」など。

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