新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2021年8月】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を、2021年8月20日から8月23日にかけて行いました(回答数1,045名)。全国で新規陽性者数が急増し、緊急事態宣言の対象拡大・期間延長がされている今、消費者の危機感や意識はどう変わったのかを報告します。
- 前回と比べて危機感が急上昇、直近1年間で最も危機感が高い
- 性別・年代・エリアによらず危機感が高まっている
- 業種を問わず抵抗感が高まっている
1.前回と比べて危機感は急上昇、直近1年間で最も危機感が高い
東京都へ緊急事態宣言が再発出されて以降、新規陽性者数は急増、緊急事態宣言も対象拡大・期間延長となりました。この状況をうけ、消費者の危機感は前回から急増しました。また、「満点比率(非常に不安と回答した比率)」も、直近1年間で最も危機感が高まっていた第2回目の緊急事態宣言時(調査期間:2021年1月10日~12日)の結果より高くなっています。
【図1】新型コロナに対する危機感分布
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
ただ、これまでも「PCR検査陽性者数」が増えると、「新型コロナに対する危機感」も連動して高まっていました。現在、全国の「PCR検査陽性者数」が1日あたり2万人を超え、2021年1月上旬の3倍以上となっていることと比較すると、消費者の危機感が桁違いに高まっているわけではないとも読み取れます。
【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
2.性別・年代・エリアによらず危機感が高まっている
今回は性別・年代によらず危機感が急上昇しています。特に男性の危機感上昇が顕著で、直近1年間で最も高くなっていました。
【図3】男女別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図4】年代別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
エリア別に見ると、東京・神奈川・千葉・埼玉、加えて、その他の地域(関東圏・関西圏以外の地域)において直近1年間で最も危機感が高まっています。関西圏(大阪、兵庫、京都)については、危機感は急増していますが、4月・5月に比較すると危機感はまだ低い傾向です。
【図5】エリア別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
3.「居酒屋利用に対する抵抗感」も上昇し、業種を問わず抵抗感が高まっている
「居酒屋利用に対する抵抗感」についても男女とも急激に高まっていました。特に男性の抵抗感が、直近1年間の中でも断トツで高くなっています。女性についても4月・5月の水準を若干上回り、デルタ株の感染拡大により外食への抵抗感がしばらく強くなることが予想されます。
また、居酒屋利用に限らず、その他のサービス利用にいても同様に抵抗感は急上昇している傾向です。どの業種においても、今一度感染症対策の徹底度を確認していく必要があると考えられます。
【図6】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感
「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、”居酒屋”で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる」~「非常に抵抗を感じる」が選択された比率
【図7】各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率
“抵抗を感じる”側の比率…「非常に抵抗を感じる」から「どちらかと言えば抵抗を感じる」までを足し合わせた比率
※5つのシーンで「非常に抵抗を感じる」から「全く抵抗を感じない」までの7段階での評価を依頼
◆データはいずれもネットリサーチ当社調べ(2021年8月20日~8月23日、回答数1,045名)
◆執筆:株式会社MS&Consulting データ活用推進室 室長 錦織浩志