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【不動産】オンライン接客に関心が高いのはどんな人? 満足度のポイントは?

現在多くの企業が「オンライン接客」をスタートさせ、今後の展開に注目が集まっています。では、「不動産(賃貸・分譲住宅/マンション)のオンライン接客」について一般消費者は実際にどう感じているのでしょうか?ネットリサーチ結果をご紹介します。(調査:2021年2月20日~4月4日、回答数=2505名)

​​​​​​​不動産(賃貸)のオンライン接客を受けたことがある人はまだ少ないが、男性を中心に「受けてみたい」と興味を持つ人は比較的多い

「不動産(賃貸)のオンライン接客を実際に受けたことはある」と回答した割合を年代別・性別で集計しました【図1】。その結果20代の男女で不動産(賃貸)のオンライン接客を受けたことがある人の割合が比較的多くなっていました。しかしそれ以外の年代では利用率は低くなっていました。

「今後受けてみたい、興味がある」と回答した人の割合を年代別・性別で見てみると、20代の男性が10%を超え、30代男性も8.9%と他の年代・性別よりも高くなっていました【図2】。一方、女性の場合は男性と比べて興味を持っている人は少なく「実際に対面で話を聞きたい」と考えている人が多いと考えられます。


図1 年代別・性別の「不動産(賃貸)でオンライン接客を受けたことがある」比率(括弧内は回答数)

図1 年代別・性別の「不動産(賃貸)でオンライン接客を受けたことがある」比率

※設問:あなたは「オンライン接客サービス(ビデオ通話など、相手の顔を見ながら接客が受けられるもの)」を実際に受けたことがありますか?で「不動産(賃貸)」を選択した比率


図2 年代別・性別の「不動産(賃貸)でオンライン接客を受けてみたい」比率(括弧内は回答数)

	図2 年代別・性別の「不動産(賃貸)でオンライン接客を受けてみたい」比率


※設問:「今後受けてみたい、興味がある」オンライン接客サービスを全てお選びください。で「不動産(賃貸)」が選ばれた割合

不動産(分譲住宅・マンション)のオンライン接客も、男性を中心に「受けてみたい」と興味を持つ人は比較的多い

不動産(分譲住宅・マンション)についても、実際に受けたことがある人の割合を年代別・性別で集計しました【図3】。その結果、多かった人でも利用率は3~4%程度となっており、まだまだ一般的には浸透していないサービスと言えます。

一方、「今後受けてみたい、興味がある」と回答した人の割合を年代別・性別で見てみると、20代男性が10%を超えていました【図4】。他の業種よりも「実際に会って対面で話をしたい」ニーズが強い業種でしたが(詳細はこちらの記事)、20代の男性は比較的オンライン接客への抵抗感は低い傾向にあるようです。


図3 年代別・性別の「不動産(分譲住宅・マンション)でオンライン接客を受けたことがある」比率(括弧内は回答数)

図3 年代別・性別の「不動産(分譲住宅・マンション)でオンライン接客を受けたことがある」比率

※設問:あなたは「オンライン接客サービス(ビデオ通話など、相手の顔を見ながら接客が受けられるもの)」を実際に受けたことがありますか?で「不動産(分譲住宅・マンション)」を選択した比率


図4 年代別・性別の「不動産(分譲住宅・マンション)でオンライン接客を受けてみたい」比率(括弧内は回答数)

図4 年代別・性別の「不動産(分譲住宅・マンション)でオンライン接客を受けてみたい」比率

※設問:「今後受けてみたい、興味がある」オンライン接客サービスを全てお選びください。で「不動産(分譲住宅・マンション)」が選ばれた割合

不動産は他の業種と比べて期待を下回り不満になる割合が比較的高い

「利用したことのあるオンライン接客の満足度」を聞いたところ、業種別に【図5】のような分布をしていました。

お客様の期待を下回った比率が最も高かったのが「不動産(賃貸、分譲住宅・マンション、注文住宅)」、次いで「アパレル・化粧品」となりました。


図5 業態別オンライン接客満足度(括弧内は回答数)

図5 業態別オンライン接客満足度

※設問:選択した「最もよく利用するオンライン接客サービス」についての満足度はいかがでしたか?


不動産系だけでなく、様々な業種における「オンライン接客」の満足度とその理由コメントを分析すると「オンライン接客の満足度は対面接客との比較で決まっている可能性が高い」ことが分かりました。


【オンライン接客​​​​​​​における満足度の決まり方】

満足 = 対面にはなかった価値を感じた
普通= 対面接客と同じ価値だった
不満 = 対面接客の方が良いと感じた


お客様が満足と評価したときは「対面よりもオンラインの方が良い!」と感じたことがコメントとして記載されていることが多く、一方で不満を感じた場合は対面接客ほどの体験ができなかったと感じてしまっていることがほとんどでした。

その要因としては

  1. 音声が聞き取りにくい、通信環境が悪い
  2. 担当者がオンライン接客​​​​​​​に不慣れだった
  3. 資料が分かりづらい

といった点が挙げられていました。

期待を上回ったときの理由

①自宅にいながら店舗と変わらない接客を受けられる

  • 自宅にいながら相談できるのは子供のいる家庭にとって、とても良いサービスだと感じます。(保険の加入・見直しの相談|30代女性)
  • わざわざ長時間かけて離れた店舗まで行かなくてもカメラを通じて書類の確認から全てスムーズに行うことができ良いシステムだと思った。(銀行(投資信託・資産運用の相談)|50代女性)
  • オンラインで語学の先生の授業を受けてとても良かったので、これからも受けたいと思います。交通費と時間をかけて学校に行くより良いです。(語学の授業|40代女性)

②‟自分のため”の特別感がある

  • マンツーマンで話ができ、特別感を味わえました。(アパレルショップ|30代女性)
  • 実際のレッスンとは違って、日によっては少人数でのレッスンとなり個別にコメントをいただけたりするので、とても満足しています。(フィットネス・筋トレ|40代女性)

期待を下回ってしまった理由

①音声が聞き取りにくい、通信環境が悪い

  • 電波が悪く、ほぼ聞こえなかった。(結婚式場の見学|20代女性)
  • 通信の影響で音が聞きづらいことがありました。(フィットネス・筋トレ|20代女性)
  • 声が聞こえにくかった。(不動産(分譲住宅・マンション)|50代女性)

②担当者がオンライン接客に不慣れだった

  • 始まるまで時間がかかった。(ヨガ・ピラティス|30代男性)
  • 担当者がオンラインに慣れていなくて対応が不十分だった。(不動産(賃貸)|20代男性)

③資料が分かりづらい

  • 資料が分かりにくい。(不動産(分譲住宅・マンション)|40代男性)
  • スマホで見るには資料が小さくて見づらい。(新車ディーラー|50代男性)


通信環境については利用する顧客側の環境が影響している場合も考えられますが、改善できる部分も十分にありました。

また、オンライン接客に特化した販売スタッフのトレーニングや、対面で説明するときのパンフレットではなく、画面共有でプレゼンテーションすること(スマートフォンの場合もある)を前提とした資料を作成することで、接客の不満を取り除くことが求められていくと考えられます。

MS&Consulting 錦織浩志
MS&Consulting 錦織浩志
東京大学 大学院を修了後、MS&Consultingへ入社。データアナリストとしてビックデータの分析を担当。その知見を活かし、国立研究開発法人 産業技術総合研究所との共同研究の成果として、数々の共著論文を発表。研究テーマ例に「従業員エンゲージメントと顧客満足の関連性分析」「パート・アルバイトの従業員エンゲージメントの特徴」「サービス・ベンチマーキングによるサービス・プロフィット・チェーンの高度化に関する研究(サービス学会BestPaperAward受賞)」など。

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