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ステルス値上げ、消費者はどう思っている?

原材料価格やエネルギー価格の高騰をうけ「値上げ」を考えはじめた企業も多いと思います。しかし、何十年もインフレを経験してこなかった日本の消費者の「値上げ」に対する反応は読みづらいところがあります。本調査では、「家計への負担感」や「ステルス値上げに対する印象」など、消費者の値上げに対する意識を調査しました。(調査期間:2022年7月1日~4日、回答数:1,032名)


1.約9割の人が「値上げの実感がある」、約8割の人が「家計への負担を感じる」と回答

【普段生活する中で値上げの実感はありますか?】の問いに対して87.6%の人が「実感がある(6点以上)」と回答しました。また、48.9%の人が「強い実感がある(9点以上)」と回答しました。

【値上げによる家計の負担を感じていますか?】の問いに対しては79.7%の人が「感じている(6点以上)」、39.9%の人が「強く感じている(9点以上)」と回答しました。

【図1】値上げの実感はありますか?
【図1】普段生活する中で値上げの実感はありますか?

【図2】値上げによる家計への負担は感じていますか?
【図2】値上げによる家計への負担は感じていますか?


多くの人が値上げを実感する中、【昨今の状況の中で企業が値上げをしないこと】に対して、「消費者の味方で素晴らしいことだ」と考える側の人は38.4%、「適切に値上げはしていくべきだ」と考える側の人は26.3%となりました。「どちらともいえない」の人も35.4%おり、消費者の反応は分かれる結果となりました。

【図3】昨今の状況の中で企業が「値上げをしない」ことに対する意識
【図3】昨今の状況の中で企業が「値上げをしない」ことに対する意識


調査に寄せられたコメントを見ると、消費者は値上げについて、「家計への負担感」だけでなく、「従業員の生活・賃金水準への影響」「経済への影響」などさまざまな視点で捉えている様子がうかがえます。

「適切に値上げはしていくべきだ」と回答した人のコメント

•原材料や輸送費が高騰しているので、適切に値上げをして、従業員の生活を守り、品質を維持してほしい(20代女性)

•人件費の増加などに起因する値上げは他人が幸せになるので許せる、ただし便乗値上げではないかと感じることもよくある(30代男性)

「消費者の味方で素晴らしいことだ」と回答した人のコメント

色々な品物が値上げしている中、給料が変わらないので、見えないところを努力してくれているのは素晴らしいと思う (30代男性)

•消費者の味方になってくれているので、極力値上げをしない努力をしてくれていると感じるお店を選んで購入するようにはしています(30代女性)


2.「ステルス値上げ」に対する消費者の反応は分かれている

価格は据え置いたまま商品の容量や重量を減らす【ステルス値上げ】についての印象を聞いたところ、「内容量そのままで分かりやすく値上げをしてほしい」と回答した人が20.5%、「どちらかといえば内容量そのままで分かりやすく値上げをしてほしい」と答えた人が27.9%となりました。一方、「どちらかといえばステルス値上げの方が嬉しい」と回答した人も19.9%を占めており、消費者の反応は分かれる結果となりました。


【図4】「ステルス値上げ」に対する印象について1つお選びください
【図4】「ステルス値上げ」に対する印象について1つお選びください

「内容量そのままで分かりやすく値上げをしてほしい側の人」にその理由を聞くと、

  • 値上げの方が分かりやすい
  • 知らされないで実質値上げをされるのは嫌だ
  • 複数個買うことになり、値上げよりも支出が増える

といったコメントだけでなく

  • ゴミが増える(以前と同じパッケージだとすかすかで包装がもったいない、複数個購入が必要となり包装がもったいない)

といった「環境への配慮」といった観点から避けてほしいとのコメントも見られました。一方、「ステルス値上げの方が嬉しい側の人」に理由を聞くと、

  • 少々容量が減っても気がつかないのでショックが少ない
  • 量は工夫次第でカバーできるので値上げよりはまし
  • 「もう少し安かったら買ったのに」と値段で購入を諦めることが増えているから
  • 食品については食べ切ることが容易になり食品ロスが減ると思うから

といったコメントが見られました。

以上『値上げに対する消費者意識調査【22年7月】』の結果を抜粋してお伝えしました。本調査の全データ(値上げの理由別消費者の反応、属性別分析を含めたクロス集計データなど)は下記よりダウンロードが可能です。

全データ集 ダウンロードボタン

【調査概要】※詳細はこちら→
調査エリア:全国
調査対象者:20歳~59歳 男女
サンプル数:1,032サンプル
調査期間 :2022年7月1日~7月4日
調査機関 :株式会社MS&Consulting


監修:データ活用推進室 室長 チーフデータサイエンティスト 錦織浩志

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