消費者が思う「今後も続けて欲しい感染症対策」は何か?【22年3月版】
「三つの密(密集、密閉、密接)」のうち一つの密でもできるだけ避けることが推奨されるなど、伝播性の高いオミクロン株が登場した現在、消費者が店舗を利用する時に「今後も続けて欲しい」「無くなるとちょっと嫌」と感じている感染症対策は何でしょうか?株式会社MS&Consultingは、一般消費者による顧客満足度調査「ミステリーショッピングリサーチ」のモニター会員を対象にしたネットリサーチを行いました(調査期間:2022年2月28日~3月2日、n=1081名)。
- 約7割のもの人が「スタッフの適切なマスク着用」「入口のアルコール消毒設置」の継続を希望
- 「女性」は「男性」以上にすべての感染症対策の継続を希望
- 「50代以上」は、ほぼすべての感染症対策で継続希望割合が高い
1.約7割もの人が「スタッフの適切なマスク着用」「入口のアルコール消毒設置」の継続を希望
本調査では、一般消費者に「無くなるとちょっと嫌、お店に足が遠のくと感じる‟今後も続けて欲しい感染症対策”をすべてお選びください」と質問しました。結果、最も続けて欲しいとの声が多かったのが「スタッフの適切なマスク着用」、次いで僅差で「入口の手指消毒用アルコールの設置」となりました【図1】。この2つは、前回調査時(21年10月)から引き続き、7割近くもの人が「今後も続けて欲しい」と思っており、"お客様の安心のために続けるべき感染症対策"と考えられます。
【図1】今後も続けて欲しい感染症対策(複数選択可)
※設問:あなたが「無くなるとちょっと嫌、お店に足が遠のいてしまうな」と感じてしまう‟今後も続けて欲しい感染症対策”を全てお選びください
2.「女性」は「男性」以上にすべての感染症対策の継続を希望
「性別」で結果をみると、すべての感染症対策で「女性」の方が継続を希望していることがわかりました。特に、「お客様退店後の備品や机の消毒」「使用済みの買い物カゴやカートの消毒」について男女差が大きくなっています。女性のお客様が多い店舗においては注目してほしい結果です。
【図2】「性別」の今後も続けて欲しい感染症対策
※設問:あなたが「無くなるとちょっと嫌、お店に足が遠のいてしまうな」と感じてしまう‟今後も続けて欲しい感染症対策”を全てお選びください
3.「50代以上」は、ほぼすべての感染症対策で継続希望割合が高い
「年代別」で結果をみると、ほぼすべての感染症対策で「50代以上」の回答者の方が継続を希望する割合が高くなりました。特に差が大きかったのが「他のお客様との接触を避ける工夫」です。主要な顧客層の年代が高い場合は注目してほしい結果です。その他、20代~40代の結果においては顕著な差はありませんでした。
【図3】「他のお客様との接触を避ける工夫は続けて欲しい」を選択した割合
※年代別のすべての結果はこちら⇒
以上、今回の調査では
- 多くのお客様(約7割)が気にされている感染症対策は「スタッフの適切なマスク着用」「入口の手指消毒用アルコールの設置」
- 「女性」「50代以上」は感染症対策の継続を求める割合が高い
という結果となりました。自社の主要な顧客層によって、続けるべき感染症対策を判断する必要があると考えられます。長引くコロナ禍で、現場にかかる負担も大きくなっているかと思います。今後、店舗でどのような姿勢で感染症対策に取り組むのが良いのか、本記事が参考になることを願っています。
◆監修:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志