外食業界におけるコロナ禍の影響は?
文:高田勇気、徳野朱音 編集:砺波 敬之
「緊急事態宣言」が出されてから1ヶ月が経ちました。都市部を中心とした自粛ムードが強まってからは約3ヶ月もの時間が流れています。新型コロナウイルス(COVID-19)関連の情報は日々ネットに溢れていて、中にはいたずらに不安のみを煽るものも少なくありません。特にサービス産業において急速に変化する消費動向の実態を少しでも正確に把握し、冷静かつ迅速な戦略づくりに役立てるべく、弊社では1都3県のミステリーショッピングリサーチ会員登録モニターに対し、「コロナ前」と「コロナ後」の意識調査を実施いたしました。ここでは、その一部をご紹介させていただきます。
※調査概要|期間:2020年4月14日、方法:インターネットによるアンケート調査、回答数:弊社モニター会員375名
消費者の外食利用頻度はどの程度変化した?
こちらは、1月以前と2~4月(コロナ禍)の外食及び家飲みのひと月あたりの平均頻度を表しています。まず全体傾向に着目すると、昼、夜ともに約半分の頻度に減っているものの、家飲みは微増に留まり、1月以前とほぼ変わらないような結果となっています。
外食及び家飲みのひと月あたりの平均頻度
男女別、及びお子様の有無別で見てみると、以下のような結果となりました。家飲みは女性がやや増えている他、お子様のいない世帯で増加していることがわかります。
外食傾向|1月あたりの利用頻度変化量(男女別)
外食傾向|1月あたりの利用頻度変化量(お子様有無別)
利用シーンごとの傾向は?
こちらは、「どのような同伴者」と「どこに」食事に行くかを調査したものです。
1月以前は、どのような同伴者とどこに食事に行っていたのか?2月以降は、どうだったのか?を回答していただき、以下の表で回答割合を示しております。変化率は、1月と2~4月の差を示しています。
1月と比較すると、特に頻度が下がったものが、以下の3つです。
・ 「友人・知人」と「繁華街」で食事に行く
・ 「職場の同僚」と「職場近く」で食事に行く
・ 「家族(子供を含む)」と「自宅周辺」で食事に行く
不要不急の外出を控えるために友人と会う機会が減ったことや、在宅勤務が推奨されたことにより職場近くでの同僚との外食機会が減ったことが数字にも表れています。また、2月以降外食の機会が減っておりますが、自宅周辺で家族と外食される方が、一人で外食される方より割合が多いことは、コロナ後の取り組みとして参考になるのではないかと思います。
Uber EatsやWEB飲み会の利用傾向は?
登録店舗数を拡大しているUber Eatsですが、調査時点では利用経験者が375名中46名と、全体の12.3%に留まっています。また、今後の利用意思も消極的な意見が半数以上を占めています。
利用経験
今後利用してみたいか
WEB飲み会については、実際に利用してみた方の満足度は低くありません。「利用経験はなく、今後やりたいとも思わない」層にも、実際に経験してみたら悪くないと感じる層が潜んでいる可能性があり、利用経験なし層が、利用経験あり層の2.6倍ありますので、ある程度の需要が見込めることがわかります。
WEB飲み会の利用頻度
※利用経験あり層38名、利用経験なし層331名、合計369名。全体の375名との差異にあたる6名は、アルコールが飲めない方
アフターコロナに向けて
4月7日の「緊急事態宣言」、そして先日5月4日の期間延長を受けて、消費者意識は上述した結果からも急速に変化している可能性があり、弊社では今後も様々な角度からの調査を継続実施予定です。「UBERイーツ、実は消費者不満が多い?!」・「WEB飲みのニーズはこれから広がっていく?!」「コロナ収束後にどの業態に行きたいか」等、詳細なテーマでの特集が知りたい、もう少し深堀した内容を聞きたい、今後はこういうデータも取ってほしい、などのご意見、ご要望がありましたら、ぜひご連絡ください。