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今、そしてこれからも求められる店舗へ コロナ禍におけるサービス業の条件とは?

編集:宮本 紗和

新型コロナウィルスの感染拡大により消費動向が大きく変化している中、アフターコロナでサービス業は何を求められていくのでしょうか。「今、お客さまから求められるサービスとは? 〜新型コロナの影響を受ける“現在”そして“これから”〜」と題し、MS&Consultingリレーション本部副本部長の江端慎二によるオンラインセミナーを開催いたしました。



新型コロナウィルスの感染拡大を受けた各社の取り組みは?

現在猛威を振るっている新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、さまざまな対応を強いられていることと思います。そんな中で行われている、売り上げの獲得、サービスの提供という視点での取り組み事例をご紹介いたします。


まずは外食企業のテイクアウトや小売機能への展開です。生産者から消費者に直接食材を届けるという小売機能を強化し、食材の仕入れ先である生産者の支援も兼ねた展開を始めたケースや、卸売業者と連携することにより店舗をスーパーマーケットとして活用する企業など、飲食店が小売機能を持つ例が新しく見受けられます。


小売業では、リアル体験をどうオンライン体験に移行するかがポイントとなっています。オンラインでのデジタル接客の仕組みや、ライブショッピング、服のサイズを測ることができる仕組みなど、今までリアルな店舗でしか体験できなかったことが、オンラインで体験できるように移行してきています。


そして、未来の売り上げ獲得についての取り組みです。こちらも外食企業の例ですが、この状況が収束した後に6000円分の食事を5000円で利用できる食事券を発行し、未来の来店を獲得するという事例が好評なようです。ほかにもオンライン飲み会を開催するなど、常連客との関係を保つ工夫をされている例もあります。


消費者の意識や行動の変化から読み解く、コロナ禍に求められる条件

今回MS&Consultingでは、外食及び小売企業に対する消費者意識の変化について、弊社登録モニターを対象にインターネット調査を実施し、約400名弱の方から回答を得ました。その結果、緊急事態宣言の発令前後で比較をすると、外食の頻度は4割ほど減少していることがわかりました。


飲食消費行動の変化(1人当たり1ヶ月の利用回数)


ちなみに業態による違いも調査をしたところ、大方の予想を覆しイタリアン業態で圧倒的に減少率が高いという結果となりました。おそらく、多くの方は居酒屋業態が最も減少率が高いと予想されていたことと思います。また、ニュース等では家飲み需要の高まりが伝えられているにも関わらず、回答では家飲みの頻度が減少した、もしくはあまり変わっていないという方が圧倒的多数を占めました。


消費者行動分析|外食(夜)頻度減少層の家飲み移行率


もちろん、あくまでこれは一例ですが、メディア等を通じて見聞きする総論ではなく、自社のターゲット・顧客はどうなのかをしっかり把握することが大切ということは言えるのではないでしょうか。


さらに、ドラッグストア及びスーパーマーケットを利用する方へのインターネット調査も実施し、こちらは1500名ほどの方から回答を得ました。緊急事態宣言の前後でのスタッフ対応に対する印象の変化を伺ったところ、いつもより良かった、もしくは残念だったという“何かしら変化を感じた”方の回答に「レジ」「対策」「感染」「消毒」といった衛生面のキーワードが頻出していました。


スーパーマーケット|いつもよりどのような対応が良かったですか?


新型コロナウィルスのコントロールが比較的うまくいっている台湾では、現在、店舗と顧客が一体となった防疫が盛んに行われています。マスク着用と入店前のアルコール消毒の実施はもちろん、顧客へのマスク着用の義務化、テーブルの間引きやアクリル板設置、さらにスタッフの検温済みバッジ着用など、店舗と顧客ともに衛生面で非常に厳しく対応を徹底しています。


このように、台湾同様日本でも衛生対策がサービスとして認識されつつあります。実際に調査でも7割程度の方が「清潔感・衛生面の配慮がより大事になった」と変化を認識していることが判明しました。これらの消費者の意識・行動の変化で、安全・安心であることが店舗でのサービスの大前提になったと言えます。今までとは、サービスの優先順位が明らかに変わってきているのです。


スーパマーケット:新型コロナウイルス前後において、どのような意識の変化がありますか?


取り組むべきは消費者に選ばれるサービスに “変化”させること

では、安全・安心を守った先の未来では、どのようなことが求められるのでしょうか。これも台湾のデータを例にとると、店舗閉鎖を行っていない中でも、外食企業や小売業での3月度の売り上げはおよそマイナス20%という現実です。例え行動規制が緩和されても、すぐに売り上げが復活するというわけではないのです。さらにその上で、被害が甚大な店舗とそうではない店舗に差がついている状況があります。

このことは、1990年代までのどうお客様に選ばれるか、という時代が再び巡ってくることを意味しているように思います。衛生面のハードル、外出へのハードルが上がっているため、“選ばれる店づくり”は当時よりも困難を極めるのではないかと予想しますが、遠くない未来に必ず取り組むべき課題となるでしょう。


日本の景気停滞時代の振り返り


店舗力向上のために始めておきたい4つの取り組み

では今後、選ばれる店舗づくりに必要な取り組みとは何なのでしょうか?サービス業の課題に特化した当社のサービスと併せて、ご紹介いたします。


1.       背中を押すメッセージ(接客への心理的安全・顧客満足の実感)

現場でお仕事をされているスタッフの皆さまは、大変な不安を抱えながら働いておられることと思います。その中で何が感謝をされているのか、求められているのかという実感、仕事の誇りなど、背中を押すメッセージを現場に届けるということにぜひ取り組んでいただきたいと思います。また、インターネットリサーチで集めた一般消費者の声を「業界別応援コメント集」としてまとめていますので、もしよろしければ以下よりダウンロードしてご活用ください。


2.       自社ターゲット顧客の意識・行動変化を知る

自社のターゲット顧客の意識が変化しているということを理解し、接客マニュアルや対応の基準を見直す必要があります。どのように変わったのかの把握、そして自社の仕組みを設定していく必要があると考えます。「新型コロナウイルス対策調査」では、コロナ禍で変化した「接客の基準」の再設定をお手伝いいたします。「新型コロナウイルス対策調査」詳細はこちら>>
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3.       オンライン教育・コミュニケーションツールの充実

変化させた仕組みの伝え方にも見直しが必要です。集合型での店長教育や、店長からアルバイトへ中継して伝えるという今までのやり方から、オンライン教育、アルバイトとのダイレクトなコミュニケーションツールなどが求められる機会が増えていくと思われます。店舗ビジネスに特化したコミュニケーションツール「tenpoketトーク」は無料トライアル実施中です。お気軽にお申し込みください。

 


4.生産性を高めるSVマネジメントの構築

店舗を管理するSV、マネージャーの方の臨店視点も大きく変化することでしょう。臨店のポイントをどう変えていくのか。この対応も今後大切になってくる仕組みづくりのひとつです。SV業務の生産性向上には「SVナビ」をぜひご活用ください。


以上が、弊社が考えるコロナ禍における店舗力向上に必要な4つの取り組みです。

この取り組みそれぞれに対応したサービスの提供はもちろん、刻一刻と変化する厳しい環境の中で弊社ができる支援として、従来の運営サービスである「ミステリーショッピングリサーチ」を応用した、弊社登録モニターとテイクアウト事業とを結ぶ新サービス「テイクアウトMS」をリリースいたしました。

飲食店の集客・改善を支援する「テイクアウトMS」当面の間、無利益にてご提供いたします。成果報酬型で初期費用も不要ですので、ぜひこの機会にご相談ください。


大変な日々ですが、体調に気をつけられ、ぜひまた皆様にお会いできますことを楽しみにしております。

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