【第2回外食クオリティサービス大賞レポート】 それぞれの夢の実現に向けて、一人ひとりが自己価値を向上させる



株式会社グローバルダイニング

URL:http://www.global-dining.com/
本社所在地:東京都港区南青山7-1-5
設立:昭和48年10月5日/資本金:12億1,737万円
店舗数:56店舗


※記載されている会社概要や役職名などは、講演(掲載)当時のものです。ご了承ください。


外食業界でも稀な厳しい5つのシステム

株式会社グローバルダイニングのエントリーはゼストキャンティーナという業態で、1号店オープンから数十年経った今でも昨年対比約103%という数字を叩き出している。お客様の評価も高く、毎月のように200点満点を取る店舗もある。もともとマーケティングなどをほとんど展開して来ずにお客様の口コミとリピートだけでこの業績をあげているというから驚異的である。


このような高いサービスレベルを保っている背景には、外食業界でも稀な厳しさを持つ体系化されたサービス教育システムがある。システムとして主なものが5つ。


(1)民主主義。店舗での決定はすべて多数決で、店長も新人も同じ1票として扱われる。
(2)完全実力主義。実力のない店長やチーフは1年間で成果が出なければ降格の対象となる。
(3)完全な情報公開。全員の給与やボーナスは全て情報公開される。
(4)自己申告制によるアルバイトの昇給・減給制度。自分の給与を自分たちで決める。
(5)店長・チーフの信任・不信任制度。店舗人事もスタッフの多数決で決める。


周りからどのような目で見られても戦って行けるだけの自信がないとやっていけない仕組みであり、登り詰める人材は他の人から尊敬され、認められ、支持される人間でなければならないという。過酷な仕組みであることは確かだが、店長クラスがお客様にもスタッフにも魅力的な人材であり続ける仕組みとしては、理にかなっているとも言える。逆にスタッフからすると、公平に包み隠さず議論することで、不信感なく全員がお客様を喜ばせることに集中できるという。証拠にVOEサーベイという従業員意識調査でも高い数値を獲得しており、わかりやすい競争の原理がスタッフのやりがいに反映されていると言える。このようなお互いを高めあうシステムをベースとし、体系化されたサービス教育システムが機能している。


「里親制度」と「権限委譲」

「おもてなしの5ステップ」としてまとめたオリジナルのサービス体系が発表された後、さらに高いレベルを保つための2つの仕組みが紹介された。「里親制度」と「権限委譲」である。特に権限委譲に関しては、売上げ予測、シフト管理、現場管理、発注などが全てアルバイトリーダーの責任で行われるという。店長やチーフはチェックするだけというから驚きである。


発表まとめ

スタッフ全員が、世界で通用するウエイターや調理人を常に目指し、高い目標を掲げて努力し続ける集団としての強さが印象づけられた。高すぎる目標や苦しい努力が厭われやすい現代において、その充実ぶりを生き生きと語るアルバイトリーダーの姿が見るものに爽やかな印象を残した。

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