一年の集大成、ここに極まる
WBC大会概要
イベント名:WBC(Watami Best-store Challengeship)
主催:ワタミフードサービス株式会社
概要:全国620店舗を対象としたミステリーショッピングリサーチ(2010年4月~6月)評価上位5店舗によるプレゼンテーション大会
開催日時:2010年9月26日(日)
会場:日比谷公会堂
『季刊MS&コンサルティング 2011年冬号』掲載
取材・文:西山 博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
4年前から“クリエイティブマネージャーの育成”を掲げ、MS&Consultingと共同で「わたみん家」業態を中心として人財育成プロジェクトを進めてきたワタミフードサービス株式会社(以下、ワタミ)。2009年4月の会社統合をきっかけに全店舗に活動が拡げられ、2010年9月、全国620店舗を対象に“最もワタミらしい店舗”を表彰する2回目の成果発表会が行われた。社内成果発表会の意義を、代表取締役社長・COOの桑原豊氏に伺った。
WBCの意義
ワタミにおけるWBCの位置付けは、最大の教育であり、モデル店づくりでもあります。
まず、教育というのは、店長の店づくり・チームづくりのとても良い事例研究の場であり、まさにOJTそのものであるということです。チームビルディングをしていくときのどろどろした苦労話などが発表の中に出てきて、その具体的な体験が皆に伝わる。最初はうまくいかなかった不器用な店長が、少しずつメンバーの信頼を得ていって、最終的に良いチームとなることができた。器用な訳ではないごく普通の一人の人間が、一生懸命メンバーさんやお客さまと向き合って、正面からぶつかっているのが感じられました。その場にいた皆が同じように心で感じていたはずです。それが、最大の教育だと思っています。
次に、それを通じて店の実態が変わるということです。お客さまが感じる実態、働く人が感じる実態、そして、経営数字として会社の経理が感じる実態。それらが全て変わらないと良い店にはなっていきません。良い店の発表の中に、これら全てに対する実態の変化を見ることができました。
失敗しない海外進出~日本企業の海外進出事情と実例~
ワタミには、一人の人間が強烈なリーダーシップを持って引っ張っていくというカラーが昔からあります。しかし、チームビルディングという観点で見た時には、どちらかというとそれはウィークポイントに感じていました。今はそれとは逆の、皆で店をつくっていこうということをテーマにしています。これまで手探りでやってきましたが、2回目のWBCを見ていて、店長たちの理解が相当深まってきたことが分かります。
中でも一番良いと思ったのは、様々な会議の場で、店長たちからWBCという言葉がたくさん出てきていたことです。皆でつくりあげていくことの良さを皆が楽しみ、日本一のワタミを目指そうという意識が共有されてきていることが感じられました。
WBCのこれから
現在のWBCは、雰囲気をつくるのにすごく役に立っています。発表の内容も雰囲気も、去年よりとても良くなっています。皆が頑張って準備してくれたことが伝わってきますし、去年に比べれば、子どもと大人程の違いを感じています。そこからもう一段上に行くために必要なのは、“実”を取って行けるようになることだと思っています。つまり、実際に何をやって何が良くなったのかという具体的な事例・ノウハウが蓄積されていくことです。課題は明確です。来年度に向けた更なる成長を心から楽しみに思っています。