『セルフレジ導入』をお客様はどう思っている?|2022年調査
セルフ式のレジの導入がここ数年増加していますが、「セルフレジ導入」についてお客様はどう感じているのでしょうか?株式会社MS&Consultingは、一般消費者による顧客満足度調査「ミステリーショッピングリサーチ」のモニター会員を対象にしたネットリサーチを行いました(対象業界:スーパーマーケット、ドラッグストア、アパレル)。
※調査日:2022年1月20日~23日(回答数=1060名)
- レジのセルフ化に対して一般消費者は概ね好印象
- アパレルでは「単価が高い店舗」「接客・提案が楽しみな店舗」の場合は抵抗を感じる人がいる。また、「洋服はスタッフさんにたたんでほしい(綺麗・速い)」という理由でセルフ化に抵抗を感じる人もいる
- フリーコメントに多く見られた不満の声は「クーポンや商品券の利用がしずらいと不便」「操作アナウンスが多い」
1.レジのセルフ化に対する顧客評価(スーパーマーケット、ドラッグストア)
本調査では、セルフ式のレジを下記2つに分けて調査しました。
セルフレジ :お客様が「商品スキャン」「会計」「袋詰め」のすべてを行う セミセルフレジ:スタッフが「商品スキャン」、お客様が「会計」「袋詰め」を行う |
まず、スーパーマーケットとドラッグストアについて、「セルフレジ/セミセルフレジがあるお店に対してどのような印象を持ちますか?」と尋ねたところ、いずれの場合でも「好印象でそのお店に興味が増す」または「好印象がある」と答えた人の方が、「若干抵抗があり足が遠のく」または「若干抵抗がある」と答えた人よりも多くなっていました。一般消費者は「レジのセルフ化に対して概ね好印象を抱いている」と言えます。
図1 セルフ式のレジに対する印象
また、約1年前にも同様の調査を行った「スーパーマーケット」については、経年変化も分析しました。結果、セルフ式のレジがあると「好印象でそのお店に興味が増す」と答えた割合がセルフレジで2ポイント、セミセルフレジで3ポイント増えていました。セルフ式のレジへの評価が少しずつではありますが高まっている様子がうかがえます。
図2 印象の経年比較(スーパーマーケット)
※回答数:1060名(2022年1月)、828名(2020年12月)
※調査対象は、両年度とも「ミステリーショッピングリサーチ」の一般消費者モニター会員
2.レジのセルフ化に対する顧客評価(アパレル)
アパレルについては、ユニクロなど一部店舗で導入され始めた「セルフレジ」についてのみ顧客評価を調査しました。結果、アパレルでも「好印象でそのお店に興味が増す」または「好印象がある」と答えた人の方が、「若干抵抗があり足が遠のく」または「若干抵抗がある」と答えた人よりも19ポイントも多くなりました。ただし、スーパーマーケットやドラッグストアに比べると「抵抗を感じる人」の割合が、わずかではありますが多い結果となりました。
図3 セルフレジに対する印象(業界比較)
寄せられたコメントで詳細を見ていくと、
- カゴを置くだけのタイプはわかりやすくてスムーズ、量販店であれば抵抗ない
- 単価の高いアパレルの場合は抵抗がある
- スタッフさんとのやり取りが楽しみだから通常のレジが良い
と「単価が高いアパレル」や「接客や提案してもらえることが楽しみなアパレル」の場合は抵抗感があるというコメントが目立ちました。また、意外に目立ったのが
- 洋服はスタッフさんにたたんでほしい
というコメントです。「たたむのが苦手だからスタッフさんにお願いしたい」「洋服はシワなどのことを考えると綺麗にたたんでもらえるスタッフさんにお願いしたい」など、‟レジでスタッフに綺麗にたたんでもらえること”に価値を感じている顧客層が一定数いるようです。実際に寄せられたコメントはこちらをクリックするとご覧いただけます⇒
3.「セルフレジ / セミセルフレジ」、不満を感じることは何?
「セルフレジ/セミセルフレジについて、普段感じていることがあれば自由にご記入ください」とフリーコメントでの回答を募ると、不満点として以下のような声が多く見られました。
- 購入点数が多い時は「セルフレジ」は時間がかかり不便、後ろに並んでいる人を待たせてしまい気が引ける
- サッカー台がない店舗の「セミセルフレジ」は、後ろに並んでいる人を待たせてしまい気が引ける
- クーポンや商品券を利用する時、スタッフを呼ばないといけないタイプの「セルフレジ」は不便
また前回調査時にはあまりなかった
- アナウンスが多い、少し時間がかかると何度も言われて嫌
という声が今回は複数見られました。お客様もセルフ式のレジに徐々に慣れており、操作についてのアナウンスが少し多いと感じる方も一定数いるようです。
ただ、全体的には「利便性が高くて良い(時短になる、金銭授受がなくて良い)」「人不足の時代に必要な対応策」といったコメントが目立ち、セルフ式のレジは徐々に一般消費者の‟当たり前”になっていくと予想されます。一方、今回の調査ではまだ「子連れの時はセルフレジしかないお店は避ける時もある」「手間が増えるので極力利用しないようにしている」といったコメントも少数ではありますが見られ、レジの形式を選べないと足が遠のく顧客層にも配慮することが必要そうです。実際に寄せられたコメントはこちらをクリックするとご覧いただけます⇒
顧客満足度調査、国内大手のMS&Consultingでは、日本全国で一般消費者モニターによる店舗チェックが可能です。「自社のレジのセルフ化に対するお客様の評価」を知りたい方はお問合せ下さい(詳しい資料をダウンロードする⇒)
※監修:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志