スタッフの自主性を生かした経営スタイルを実現

セキミキ・グループ株式会社

代表者:関 亮一 代表取締役社長

所在地:福岡県福岡市中央区大手門1-8-10

設立年月:1983年6月

会社ウェブサイト:http://www.sekimiki.co.jp/

事業内容:婦人服の企画・販売

展開するブランド:プラチノ・ロッサ、グレディブリリアン、クートグレディブリリアン、パウダーシュガー、エイミーパール、他

社員数:正規180名、パート・アルバイトなど70名


『季刊MS&コンサルティング 2015年冬 特別号「サービスの強化書」』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。


福岡県を中心に女性向けのセレクトショップを展開するセキミキ・グループ株式会社。顧客のニーズに応じて、現在は6ブランド50店舗程を展開。流行を取り入れた商品をセレクトし、30代の女性を中心に支持されている。

洋服が好きでサービス精神も旺盛という、現代表取締役社長(関亮一氏)の母(関美代氏)が、初めての店舗を福岡県新宮町にオープンさせたのが1973年。亮一氏の体制に移った2005年当時は4店舗の企業だった。高級インポートを中心としたコンセプトに限界を感じ、試行錯誤を経て、現在の「30代の女性が日常的に着用できる、尖り過ぎない等身大のファッション」をコンセプトとしたブランドに移行。店舗数も10倍以上の規模に成長した。

2014年6月にオープンしたcoote Gready Brilliantの最新店舗。41年間で約50店舗まで拡大し、これからは全国展開も視野に入れていく予定。


自主的な活動を促す仕組み

同社では、新任店長研修やサブ研修といった階層別の研修のほか、その時々の課題に応じてさまざまな研修を実施している。特徴的なのは、これらの研修の企画立案から運営までを行っているのが、社長や教育担当部門ではなく、10名程いるエリアマネージャーたちである点だ。プログラムを考えるだけではなく、講師も自分たちで務める。以前は社長が研修を行っていたのだが、いくら言っても重要性が理解されず、「むしろ、任せた方がいいのでは」と思いたってマネージャーたちに運営を委ねたところ、想像以上の効果が出たことから、それ以降はマネージャーによる自主運営という形が続いている。自分たちでプログラムを考えることで、マネージャー自身の勉強にもなり、ケーススタディを交えるなど現場を理解するマネージャーならではの工夫によって、研修を受ける現場スタッフの理解度も向上した。

こうした経験から現在では、研修に限らずあらゆる場面で、社長がトップダウンで「これをしなさい」と指示するのではなく、社長が行うのは判断に必要となる情報共有のみ、あとはできる限りスタッフ一人一人の自主性に任せるという経営スタイルを貫いている。

店長研修はマネージャーたちがその時々の課題に合わせてテーマを設定し、外部のセミナーなどを参考にしながら自社向けにアレンジし、楽しく学べる研修になるよう心がけている。


モチベーションを高める為に

社員満足度を高めるために、亮一氏が社長に就任したときから続けていることがある。それは、給与の支給時に、その時々に感じたことや会社にとって大切なことを「社長からの手紙」として発信することだ。この毎月送られるメッセージが、スタッフのモチベーション向上へとつながっている。

店舗数が増えた現在も、社長自ら店舗まで赴いてスタッフ一人一人と積極的にコミュニケーションをとり、スタッフの雰囲気やコンディションを把握し、必要があればフォローを行う。忙しい中でも何とか時間を見つけて、食事会を開催する。時間はかかるが、研修運営に見られるように、任せられる仕事をどんどん現場スタッフに委ねるように心がけている。

今後は全国展開も視野に入れ、ファッションを通じて顧客に付加価値を提供し続け、同時に現場のスタッフ一人一人が誇りを持てるような店舗・商品作りを追求し続ける。

給与明細に同封している「社長からの手紙」。社員全員に向けて、社長の想いや将来のあるべき姿などのメッセージを毎月発信することが、スタッフのモチベーション向上へとつながっている。


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