「相手のニーズに応える」ことを徹底的に追求し、ノウハウ化する
株式会社 DREAM REALITY
代表者:小倉 諄大 代表取締役
所在地:大阪府大阪市西成区太子1-4-5 DREAM22ビル2F
設立年月:2005年
公式ホームページ:http://dreamreality-group.co.jp/
事業内容:焼肉・ホルモン店、お好み焼・鉄板焼、串揚げ、串かつ、串焼き・寿司、魚貝居酒屋、炭火焼鳥、もつ鍋、居酒屋、鳥料理の経営
展開するブランド:昭和大衆ホルモン、ホルモン本舗、魚八商店
社員数:450名(グループ合計、パート・アルバイトなどを含む)
『季刊MS&コンサルティング 2014年冬 特別号』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
100点ではなく、あえて80点を目指す
株式会社DREAM REALITYが最も大切にしている想いは「相手のニーズに応える」ということである。ここでいう「相手」とは、お客さまはもちろん、社員、取引先も含んでいる。会社の利益だけを追求するような経営を良しとせず、関わる人すべての要望に応えることを大事にしているため、あえて「100点を目指さない」という考え方を持っている。
例えば、お客さまにとっての100点を目指すために、価格を安く抑えるという方法を取ると、会社の利益を圧迫し、結果的に社員の給料の削減に繋がるかもしれないし、取引先からの仕入れ値にも影響するかもしれない。それでは同社のいう「相手」の幸せにはなっていない。同社のベースとなる考え方は、すべての人たちのニーズにおいて最低でも80点を目指し、提供することで、関わる人全員に幸せになってもらうことである。
赤肉の柔らかさと甘みを併せ持った「名物闇ハラミ」など、精肉店直営だけあって、他店では食せない絶品から珍味なものまで多数あり。写真は昭和大衆ホルモン道頓堀店。
お客さまの喜びのため、部門を越えて取り組む
同社の出店計画は、その街の真のニーズを見極めることから始まる。物件を決める際、どのような業態で出店するかの考えを持った上で、同社では次の視点で綿密な現地調査を行なう。
- お客さまのニーズ「この街のお客さまのニーズは何か?」
- 会社のニーズ「この場所で利益を得ることができるか?」
- 社員のニーズ「スタッフが店舗を継続的に運営することができるか?」
そうした調査の結果を踏まえ、競合の状況や街の客層に合わせて柔軟に業態を変化させる。それはあくまでもお客さまのニーズに応えるためである。また、スタッフのモチベーションを考え、自社の店舗で似た業態がないかも考慮に入れる。ある出店ケースでは、当初、牛肉か鶏肉を中心とした業態を出そうと考えていたが、街の状況を調査すると、付近に競合があることが分かり、その街には気軽に食べられる寿司屋がないことが判明。そのため、立ち食い寿司の業態に変更した。このように街のニーズを綿密にチェックし、どのような業態が求められるかを徹底的に追求し、柔軟に業態を変更する戦略が同社の強みとなっている。
全国各地の新鮮素材にこだわるお好み焼き。なにより感動するのがお店のスタッフ。お客さまへの心配りとチームワークが抜群。写真は、ぼんくら家新世界店。
同社はホルモン、鉄板焼き、もつ鍋、寿司、串揚げ、焼肉、焼き鳥など様々な業態を持っており、20以上のブランドを展開している。一見すると非効率に思えるが、あくまでもさなざまなニーズに応え、地域の方々にとって暮らしやすい街づくりに貢献したいという企業としての想いでこのスタイルを確立してきた。「相手のニーズに応える」ことを徹底的に追求し、ノウハウ化することで、他の企業にとっては弱みともなり得るビジネスモデルを、同社は「強み」とし、成長し続けている。
黒毛和牛をリーズナブルな価格で提供。肉の世界で長年修行を積んだ肉の匠による、目利きと技法で、選び抜かれた本物の肉味を堪能できる。写真は、肉匠 牛寅 あびこ店。