消費者が思う「今後も続けて欲しい感染症対策」は何か?【アンケート結果公開】
新規陽性者数が大きく減少、全国で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、消費者の店舗サービスの利用が徐々に復活してきました。しかし、消費者の声を分析すると「無くなるとちょっと嫌」と感じる感染症対策があることが分かりました。本記事では、‟消費者の安心感”のためにも続けるべき感染症対策は何か?についてご紹介します。
- 「入口でのアルコール消毒」「スタッフの適切なマスク着用」は約7割の人が続けて欲しいと回答
- 「他のお客様との接触を避ける工夫」「感染症対策のお願いの掲示」を続けて欲しいかは年代による差が大きかった
- コロナ禍を経験したことで「お店の清潔感に対してより敏感になった」という声も多かった
1.「入口でのアルコール消毒」「スタッフの適切なマスク着用」は約7割の人が続けて欲しいと回答
今回の調査では、無くなるとお店に足が遠のくと感じる「今後も続けて欲しい感染症対策」ついて一般消費者モニターに聞きました(調査日:2021年10月20日~21日)。
結果は、表1のようになりました。最も続けて欲しいとの声が多かったのが「入口の手指消毒用アルコールの設置」で、僅差の2位が「スタッフの適切なマスク着用」となりました。この2つについては約7割の人が「無くなるとちょっと嫌」「今後も続けて欲しい」と思っている感染症対策となりました。
また、男女別で比較すると、全体的に男性よりも女性の方が「続けて欲しい」と思っている割合が高いことが分かります。特に「使用済みの買い物カゴやカートの消毒」や「お客様退店後の備品や机の消毒」については男性よりも20pt以上高くなっており、女性の方がこれらの点について「今後も続けて欲しい」と思っていることが分かります。
表1 「今後も続けて欲しい」感染症対策(複数選択可)
※設問:あなたが「無くなるとちょっと嫌、お店に足が遠のいてしまうな」と感じてしまう‟今後も続けて欲しい感染症対策”を全てお選びください(複数選択可)
2.「他のお客様との接触を避ける工夫」「感染症対策のお願いの掲示」を続けて欲しいかは年代による差が大きかった
「今後も続けて欲しい感染症対策」を性別・年代別に見てみると、特に、
- 他のお客様との接触を避ける工夫(距離をあけた席配置、アクリル板の設置、待機列で間隔をあける案内など)
- 利用するお客様に対する感染症対策のお願いの掲示(マスクの着用など)
で年代別での差が大きいことが分かりました。
「男性よりも女性」の方が、そして「20代・30代よりも40代・50代」の方が、より無くなるとちょっと嫌と感じていることから、自社店舗の主要な顧客層に応じて続けるべき感染症対策については違いが出ることが予想されます。
図1 「他のお客様との接触を避ける工夫は今後も続けて欲しい」を選択した割合(性別・男女別)
※今後も続けて欲しい感染症対策として「他のお客様との接触を避ける工夫」を選んだ割合
図2 「利用するお客様に対する感染症対策のお願いの掲示は今後も続けて欲しい」を選択した割合(性別・男女別)
※今後も続けて欲しい感染症対策として「利用するお客様に対する感染症対策のお願いの掲示」を選んだ割合
3.コロナ禍を経験したことで「お店の清潔感に対してより敏感になった」という声も多かった
「感染症対策を続けて欲しい」と思った理由について聞いたところ、様々なコメントがある中で、大きく下記3つの視点に分類できました。
- 第6波の懸念など、まだ油断できないから
- インフルエンザ等、他の感染症対策にもなるから
- コロナ禍を経験したことで清潔感に対してより敏感になったから
これらについて、具体的な回答を以下に紹介します。
第6波の懸念など、まだ油断できないから
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インフルエンザ等、他の感染症対策にもなるから
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コロナ禍で清潔感に対してより敏感になったから
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店舗での感染症対策を求める理由としては、第6波を警戒する声だけでなく、コロナ前にはなかった「他の感染症対策にもなるから」や「コロナ禍を経験して清潔感に対してより敏感になった」という声も多かったことが特徴的でした。
この2年近くに及ぶコロナ禍が、‟清潔感‟や‟感染症対策”に対する、消費者の心理や価値観を変えたことが推察されます。そのため、コロナ禍が終息した後も、店舗やスタッフの清潔感については、引続き高い水準を目指すことが求められる可能性があります。