新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2022年1月】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を、2022年1月20日から1月23日にかけて行いました(回答数1059名)。「オミクロン株」による全国的な感染の急拡大が、消費者の危機感や意識にどう影響を及ぼしているのかを報告します。
1.消費者の危機感が上昇、ただし第5波の頃と比べると低い
2.すべての性別・エリアで危機感が上昇
3.「消費行動を抑える意識」も上昇。ただし、第5波の頃ほどではない
1.消費者の危機感が上昇、ただし第5波の頃と比べると低い
オミクロン株による新規陽性者数の急増を受け、消費者の危機感は前回から引き続き上昇しました。ただし、第5波の時(2021年8月中旬をピークに2021年7月~9月)と比較するとまだ低い状態です。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が1月12日に「デルタ株と比べてオミクロン株は重篤度が低い」との見解を示したことや「長引くコロナ禍への慣れ」が、危機感の急上昇を押さえていると想像されます。
【図1】新型コロナに対する危機感分布
【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」
※「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
2.すべての「性別」「エリア」で危機感が上昇
今回はすべての「性別」「エリア」で危機感が上昇しました。第5波の頃より低いとはいえ、今まで以上の感染の急拡大にすべての層が危機感を高めている様子がうかがえます。
【図3】性別の危機感
【図4】エリア別の危機感
※「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
3.「消費行動を抑える意識」も上昇、ただし第5波の頃ほどではない
「居酒屋利用に対する抵抗感」は男女共に上昇しました。また、「その他のサービス利用に対する抵抗感」も同様に上昇傾向です。ただし、危機感同様、第5波の頃と比較するとまだ低い状態です。
【図5】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感
※「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、居酒屋で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる~非常に抵抗を感じる」が選択された比率
【図6】各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率
※“抵抗を感じる”側の比率…「非常に抵抗を感じる」から「どちらかと言えば抵抗を感じる」までを足し合わせた比率
12月20日の調査では「危機感の上昇」は「消費行動を抑える意識」にまではつながりませんでした。しかし、今回の過去にない感染の急拡大は、消費者の「消費行動を抑える意識」を高める結果となりました。
今一度、「感染症対策がしっかりなされているとお客様が感じるお店づくり」が重要な局面になっています。長引くコロナ禍の中でどうしても意識が途切れがちになりやすい中、改めて基本的な感染症対策の徹底度を確認する必要があると考えられます。MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データを発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。
◆データはいずれもネットリサーチ当社調べ(2022年1月20日~1月23日、回答数1059名)
◆監修:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志