新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2021年6月】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を、2021年6月20日から6月23日にかけて行いました(回答数1,056名)。沖縄県を除き緊急事態宣言が解除された今、消費者の危機感や意識はどう変わったのか、レポートをご覧ください。
- PCR検査新規陽性者数と連動し、新型コロナに対する消費者の危機感は一気に減少した
- エリア・性別・年代に関係なく、全体的に危機感は減少
- 女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」も減少傾向に転じ、リバウンド消費に向けた機運が高まっている
1.PCR検査新規陽性者数と連動し、新型コロナに対する消費者の危機感は一気に減少した
緊急事態宣言の解除が決まったことにより、消費者の新型コロナに対する危機感は5月20日~22日の前回調査時から一気に減少しました。調査開始以降最も危機感が和らいだタイミングである「昨年の9月下旬」や「今年の3月上旬」に匹敵する危機感の数値となっていました。
【図1】新型コロナに対する危機感分布
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
また、「PCR検査陽性者数」と「新型コロナに対する危機感」を比較すると、PCR検査陽性者数の減少に連動して危機感も大きく減少していることが分かります。ワクチン接種が順調に進んでいることも加わり、消費者の危機感は順調に下がってきていると思われます。
【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
※いずれもインターネットによるアンケートリサーチ
2.エリア・性別・年代に関係なく、全体的に危機感は減少
男女別・エリア別で見てみると、今回は男女共に、全ての年代で危機感は一気に減少していました。
【図3】男女別・新型コロナに対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図4】年代別・新型コロナに対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
エリア別で見ても、全ての地域で危機感は下がっていました。特に関西圏(大阪、兵庫、京都)で大きく下がっており、地域による差は見られなくなりました。
【図5】エリア別・新型コロナに対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
3.女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」も減少傾向に転じ、リバウンド消費に向けた機運が高まっている
今回、女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」が大きく低下していました。男性については緊急事態宣言中も大きくは変わりませんでしたが、女性については大きく高まっていた抵抗感が緊急事態宣言前の水準までは回復してきました。
居酒屋利用に対する抵抗感が”全くなくなる”ことは今後も考えにくいと思われますが、一方でこれから夏に向けて「お店でキンキンに冷えたビールが飲みたい!」と感じている消費者も多いことが分かっています(詳細はこちらの記事)。感染症対策をしっかりと行うことで「安心して外食を思いっきり楽しむ」ことができる日も、あと少しなのではないかと思ってしまいます。
【図6】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感
「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、”居酒屋”で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる」~「非常に抵抗を感じる」が選択された比率
MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。
執筆:株式会社MS&Consulting データ活用推進室 室長 錦織浩志