新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2021年5月】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を、2021年5月20日から5月22日にかけて行いました(回答数1,045名)。緊急事態宣言が延長され、対象の都道府県も拡大された今、消費者の危機感や意識はどう変わったのか、レポートをご覧ください。
- PCR検査新規陽性者数は増加傾向にあるが、新型コロナに対する消費者の危機感は変わらず横ばい
- 関東圏、関西圏の危機感は横ばいか低下、一方、その他の地域では危機感が急上昇
- 「居酒屋利用に対する抵抗感」は引き続き男性の方が女性より低い
1.新規陽性者数は増加傾向にあるが、新型コロナに対する消費者の危機感は変わらず横ばい
緊急事態宣言の延長がありましたが、消費者の新型コロナに対する危機感は4月20日~26日の前回調査時とほとんど変わらず、横ばいとなりました。1月上旬の緊急事態宣言時と比較しても今回の危機感は低くなっていました。
【図1】新型コロナに対する危機感分布
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
また、「PCR検査陽性者数」と「新型コロナに対する危機感」を比較すると、前回までと違い今回は顕著な連動はありませんでした(PCR検査陽性者数が増加しているが危機感は横ばい)。感染拡大の報道と同時に、ワクチン接種の報道もなされていることから、消費者の危機感が急激に高まるということは無さそうです。
【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
※いずれもインターネットによるアンケートリサーチ
2.関東圏、関西圏の危機感は横ばいか低下、一方、その他の地域で危機感が急上昇
男女別で見てみると、男女間における危機感の差は拡大傾向にあります。年代別のグラフを見ると、特に女性の50代で危機感が高まっていることが分かります。
【図3】男女別・新型コロナに対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図4】年代別・新型コロナに対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
エリア別では、関東圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)と関西圏(大阪、兵庫、京都)では危機感が横ばいもしくは低下していました。一方、その他の地域で急激に危機感が高まっています。地方でも徐々に感染拡大している状況や、緊急事態宣言の発出がされている状況が、消費者の危機感上昇に反映しているものと考えられます。
【図5】エリア別・新型コロナに対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
3.「居酒屋利用に対する抵抗感」は引き続き男性の方が女性より低い
「居酒屋利用に対する抵抗感」は引き続き男性の方が女性より低くなっています。これまでの調査時と同様の傾向です。
一方、「2週間以内に居酒屋を利用した比率」は昨年6月以降で最も低くなっていました。消費者の居酒屋利用の自粛については、第1回の緊急事態宣言時を除くと、最も厳しいレベルとなっています。この自粛によって感染拡大を抑えた後、夏に向けて明るい話題が提供できることを願ってやみません。
【図6】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感
「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、”居酒屋”で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる」~「非常に抵抗を感じる」が選択された比率
【図7】性別・年代別「2週間以内に居酒屋を利用した比率」
「直近で”居酒屋”を利用したのはいつですか?(テイクアウト等でのご利用ではなく、店内飲食に限ります)」に「1週間以内」または「1週間前~2週間前」と回答した比率
MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。