新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2021年3月】
2021年3月10日から3月15日にかけて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を行いました(839名回答)。1都3県以外は緊急事態宣言が解除されるも、日々の新規陽性者数はあまり減少しなくなってきている今、消費者の危機感や意識はどう変わったのか、レポートをご覧ください。
- 危機感は前回よりもさらに低くなり、今までで最も低かった9月末と同水準となっている
- 性別、年齢、エリアを問わず危機感は下がっているが、神奈川・千葉・埼玉の3県は低下幅が緩やかだった
- 前回下がらなかった女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」も今回は下がっていた
1.危機感は前回よりもさらに低くなり、今までで最も低かった9月末と同水準となっている
今回の調査では新型コロナに対する危機感は緊急事態宣言中だった2月中旬よりもさらに下がっていました。特に8点以上の強い危機感を持つ層が引き続き減っており、これは最も低かった9月末と同水準となっています。
【図1】新型コロナ(COVID-19)に対する危機感の分布
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
2.性別、年齢、エリアを問わず危機感は下がっているが、神奈川・千葉・埼玉の3県は低下幅が緩やかだった
男女別で見てみると、男女共に危機感は下がっています。年代別のグラフを見ると、特に男性の20代の危機感減少幅が大きいことが分かります。
【図2】男女別・新型コロナ(COVID-19)に対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図3】年代別・新型コロナ(COVID-19)に対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
エリア別に見てみると、神奈川・千葉・埼玉は他の地域に比べて危機感が下がる幅が少なくなっている傾向にありました。
一方、東京の危機感は引き続き減少傾向でした。その結果、その他の緊急事態宣言対象地域(愛知、岐阜、大阪、京都、兵庫、福岡)や緊急事態宣言の対象外地域との差も小さくなっています。言い換えると、緊急事態宣言が出されなかった地域も東京と同様の危機感を持っていることになります。
【図4】エリア別・新型コロナ(COVID-19)に対する危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
3.前回下がらなかった女性の「居酒屋利用に対する抵抗感」も今回は下がっていた
前回男女で差が出た「居酒屋利用に対する抵抗感」については、今回は男女共に和らいでいました。
図5に示す通り、男性が前回から横ばいであった一方で、女性の抵抗感は低下していました。
この「居酒屋利用に対する抵抗感」は、時間をおいて実際に居酒屋を利用した割合に連動する傾向にあります。前回抵抗感が和らいだ20代、30代の男性は、2週間以内の居酒屋利用率が今回の調査で増加していました(前回:22%→今回:28%)。このことから、緊急事態宣言が解除されたことで女性の居酒屋利用も少しずつ増えていくものと考えられます。
【図5】居酒屋利用に対する抵抗感の男女別推移
「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、”居酒屋”で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかといえば抵抗を感じる」~「非常に抵抗を感じる」が選択された比率
日々報道される新規陽性者数はあまり減少しなくなっていますが、消費者の危機感は緊急事態宣言中の2月中旬よりもさらに和らいでいます。居酒屋利用動向に関しても徐々に抵抗感は和らいでいます。しかし、以下の記事で解説した【一般消費者の行動変化】は特に女性を中心に継続していることが想定されます。女性がメインターゲットの業種・業態は引き続き注意が必要です。
MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。
【調査概要】 調査期間(回答数)
調査対象 ミステリーショッピングリサーチに登録している調査員 回答者属性割合 第3回以降は、性別、年代、エリア(1都3県、それ以外)がほぼ均等になるように調査を行っています。 |