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14年間すべての採用はスタッフ紹介から、すご腕店長のコロナ対応 【株式会社麺食】

業務委託の形で独立していた時のアルバイト募集は14年前に1度だけ、その後はすべての採用が既存スタッフの紹介から。それほどまでにスタッフからの信任を得ている喜多方ラーメン坂内・取手店の池田店長に「コロナ禍への対応」、また、「スタッフ一丸となって危機対応ができている、その信頼関係の築き方」についてお話しを伺いました。


池田店長プロフィール

コロナ禍で一時は昨年の半分に落ち込んだ売上、どのような対応をしましたか?

当店は年配のお客様が多いので、店内で召し上がることに抵抗感のあるご様子のお客様が多く見受けられました。そこで、『お客様に届く感染症対策』と『テイクアウト』の2つに取り組みました。

1.感染症対策は「お客様の耳に届ける」

消毒・換気など、できる感染症対策をすべて行うことはもちろん、特に大事だと感じているのは「感染症対策をしっかり行っているお店だな」とお客様に安心して頂くことです。

感染症対策に取り組んでいても、その事がお客様に届かなければ安心して飲食して頂けません。結果、再来店も見込めなくなる。具体的には次のようなことを行っています。

●「何番テーブル消毒済みです」などスタッフ同士で声かけ、お客様の耳から入る情報を増やす。
● 店内巡回時は手にアルコール消毒を持ちながらなど、お客様の目から入る情報を増やす。


これらのことは、「どうしたら良いと思うか?」とスタッフに意見を求めて巻き込み型で進めるようにしています。

2.マスク着用した上での接客力を磨く

マスクを着用していると、表情はわかりづらく、声はこもりやすくなります。そこで、‟マスクの下は笑顔です”と書かれたプレートを名札の下につけたり、朝礼ではマスクでの発声の練習をしたり、「マスクでも好印象の接客」に取り組んでいます。

ネームプレート画像
※画像は実物ではなくイメージです

3.テイクアウトの開始

売上の落ち込みを補填するためテイクアウトも始めました。自粛ムードが強かった時期に大きく注文数が伸び、現在でもウーバーイーツや出前館が使えない場所にも関わらず1日に5~6件ぐらいの注文があります。

ご利用して下さるお客様が今もいらっしゃるのは「テイクアウトでも美味しい」にこだわっているからだと思います。麺が伸びると美味しくないので、注文時にお店から10分以内の場所かお聞きして、10分以上の場合は麺とスープを分けて提供する等に取り組んでいます。


喜多方ラーメン画像
▲これまで持ち帰り厳禁だった人気メニューのテイクアウトを開始した

オペレーションの追加に全員が対応できています。
店舗のリーダーとして最も大切にしていることは何ですか?

自分の「目指している事」「やりたい事」に賛同してもらう、そして、賛同してもらえるだけの信頼関係を築く。この点を大切にしています。

昔はスタッフの何倍も働くことで信頼を得ていました。その経験は今も自分の基礎力となっています。しかし、14年前に業務委託オーナーとなり、一人退職することの重みが変わった時にそのやり方では足りないと感じ「自分の理想に賛同してもらう、そして賛同してもらえる関係を築く」ことを重んじるようになりました

そのおかげでオーナーになってからの14年間、アルバイト募集はオープン当初1度だけ、その後はスタッフ紹介の採用だけで運営できており、人手に困ったことがありませんでした。


インタビュー風景(横顔)

「理想に賛同してもらう、もらえる関係を築く」ために意識している事は何ですか?

タッフ一人ひとりが、どういう性格で、どういう思考を持っているか、相手を理解することが大事だと考えています。そのため1対1で話す時間を必ず確保するようにしています。店舗ミーティングも行っていますが、相互理解を深める、信頼関係を築くという面では「1対1」が大事だと感じています。

1対1の時間は以下2つの方法で作っています。

●その日シフトに入るスタッフ全員と2人で話す時間を必ず作る

●1対1面談を定期実施(1ケ月~1ケ月半に1度)


同じ質問をしても相手により全
く違う答えが返ってきて面白いです。


インタビュー写真(正面)

コミュニケーションは元から得意だったのですか?

もともとは人見知りでコミュニケーション能力の乏しい性格でした。それで、先ほどお話したように若い頃は「スタッフの何倍も働く」という方法でスタッフからの評価を得ていました。ただ「どうにかしないといけない、苦手だからと逃げていてはいけない」とは思っていて、新聞やマンガを読んだり、音楽を聞いたりするようにしました。

新聞を読んだり、音楽を聞くことで、スタッフとのコミュニケーションがスムーズになるのですね。

はい。共通の話題をどれだけ持てるかが大事だと思います。そのためには私はインプットから始めたということです。新聞や雑誌を読むこと、若い子の場合は流行の音楽・マンガ・アニメ・映画のインプットが効果的でしょうか。

正直、今もコミュニケーションは得意ではないです。ですから、仕事に入る時は「店長スイッチ」をいれるようにしています。自分の場合は、
素の自分ではなく「店長」として対応することでスタッフと自然に会話をすることができます。

今後に向けて考えていることを教えて下さい。

予断を許さない状況が続くと考えています。でも右往左往するのではなく、経営理念 『食を通じた気持ちの温もり』 をお客様に伝えることを常に目指して進みたいと思います。

※取材日:2020年11月10日
※取材:株式会社MS&Consulting 中村あづさ
※記載されている数値や固有名詞などは取材当時のものです。

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