新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2022年6月】
外国人観光客の受け入れ再開が決まるなど、新型コロナ対策の一部緩和が始まりました。そんな ‟今” 消費者の「新型コロナに対する危機感」や「消費行動に対する意識」はどう変化したのでしょうか?ネットリサーチを用いて調査しました。(調査期間:2022/6/1~6/4、回答数:1055名)
- 「新型コロナへの危機感」は2ヶ月連続で過去最低を更新
- 全ての「年代」「性別」「エリア」で危機感は過去最低に
- 外食への抵抗感は過去最低を更新し、特に「友人・知人との会食を楽しみたい」というニーズが上昇
★※一般消費者による顧客満足度調査「ミステリーショッピングリサーチ」のモニター会員へのネットリサーチ(回答数:1055 名) 詳細>>
1.「新型コロナへの危機感」は2ヶ月連続で過去最低を更新
消費者の「新型コロナへの危機感」は5ヶ月連続で低下しました。その値も2ヶ月連続で過去最低を更新、本調査スタートした2020年4月以来最も低くなりました【図1】。
【図1】新型コロナに対する危機感
※設問:新型コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください
新規陽性者数(7日間移動平均)はいまだに2万人を超えており高い水準ですが、危機感は2ヶ月連続で過去最低を更新しています【図2】。ワクチン接種が進んだことやオミクロン株が重症化しづらいことなどから、今後もしばらくは「感染の波」と「危機感」がこれまでのようには連動しないことが予想されます。
【図2】「新型コロナに対する危機感平均値」と「新規陽性者数7日間移動平均」
2.全ての「年代」「性別」「エリア」で危機感は過去最低に
全ての「年代」「性別」「エリア」で、危機感が過去最低となりました。また「男性より女性の方が危機感が高い」「若年層より高齢層の方が危機感が高い」という傾向は、これまでと変わりませんでした【図3・4・5】。自社の顧客層が「女性」「高齢層」の場合は危機感がまだ高めである点には留意が必要です。
【図3】年代別・危機感
【図4】性別・危機感
【図5】エリア別・危機感
3.外食への抵抗感も過去最低を更新、特に「友人・知人との会食を楽しみたい」というニーズが上昇
コロナ禍で敬遠されがちだった居酒屋利用を含め、「各種サービスを利用することへの抵抗感」は、全てのサービスで過去最低となりました【図6】【図7】。消費者の中でサービス消費への意欲が高まっていることが伺えます。
【図6】各種サービスに対する“抵抗を感じる”側の比率
【図7】居酒屋に対する“抵抗を感じる”側の比率
「外食に出ようと思っていない」と回答した人の割合も前回調査に引き続き過去最低を更新し9.0%となりました。特に「友人・知人とコミュニケーションを取るため」という理由での外食ニーズが上昇、過去最高の41.6%となりました。‟コロナ禍で控えていた友人・知人との会食をまた楽しみたい”という消費者の気持ちが高まっていることが推察されます【図8】。
【図8】外食に出る理由
今回の調査では「危機感が過去最低を更新」「各種サービス利用することへの抵抗感も過去最低になる」など、今後、消費活動が活性化することを推察できるデータが揃いました。今後ご来店されるお客様の中には、「ずっと我慢していた外出を久々に楽しむ方(期待値の高い方)」が増えていくと予想されます。感染症対策を継続しお客様に安心して過ごして頂ける環境を整えながらも、‟久々に楽しみたい”というお客様の期待に応えた、距離を取り過ぎないサービス設計に切り替えていくことが、リピーター作りのために必要となりそうです。
◆監修:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志