新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2022年4月】
3月下旬から感染者数は再び増加傾向となり、現在、感染の再拡大が懸念され始めています。そんな‟今” 消費者の「新型コロナに対する危機感」や「消費行動に対する意識」はどう変化したのでしょうか?2022年4月1日から4月4日にかけてネットリサーチを用いて調査しました(回答数:1044名)。
- 「新型コロナへの危機感」は前回調査時からさらに低下
- すべての「年代」「性別」「エリア」で危機感が低下
- 全年代で「友人・知人とコミュニケーションを取るため」の外食ニーズが上昇
※一般消費者による顧客満足度調査「ミステリーショッピングリサーチ」のモニター会員へのネットリサーチ(回答数:1044 名) 詳細>>
1.「新型コロナへの危機感」は前回調査時からさらに低下
第6波は収束する気配を見せず、3月下旬から感染者数は再び増加傾向となりました。しかし、一般消費者の「新型コロナへの危機感」はその状況を反映せず前回調査時から引き続き、今回の4月調査でもさらに低下しました【図1】。
【図1】新型コロナに対する危機感
※設問:新型コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください
今回の調査は、過去2番目に直近1週間の新規陽性者数が多いタイミングでした。しかし、危機感は過去最低の水準となりました【図2】。消費者のコロナ慣れやオミクロン株の重症化率が低いことなどを背景に『新規陽性者数と危機感が連動しにくくなっている』と考えられます。
【図2】「新型コロナに対する危機感平均値」と「新規陽性者数7日間移動平均」
2.すべての「年代」「性別」「エリア」で危機感が低下
すべての「年代」「性別」「エリア」で危機感が低下しました。特に危機感の低下が大きかったのは20代です【図3】。20代の感染者が全体に占める割合は、3月の14%に対し4月は18%と著しく増えていることが現在の特徴ですが、その背景には20代の危機感の低下があるのかもしれません。
【図3】年代別の危機感
【図4】性別の危機感
【図5】エリア別の危機感
3.全年代で「友人・知人とコミュニケーションを取るため」の外食ニーズが上昇
各種サービスを利用することへの抵抗感もすべて低下しました【図6】。感染のリバウンドが懸念されている現在の状況が、消費者のサービス利用に及ぼす影響は大きくないようです。また、男性の居酒屋に対する抵抗感も過去最低となりました【図7】。
【図6】各種サービスに対する“抵抗を感じる”側の比率
【図7】居酒屋に対する“抵抗を感じる”側の比率
また、全年代で「友人・知人とコミュニケーションを取るため」という理由での外食ニーズが上昇しています【図8】。特にこのニーズは20代で高く、‟長く続くコロナ禍で会えなかった友人・知人との食事を楽しみたい”という20代の強い気持ちが推察されます。
【図8】「外食に出る理由」として友人・知人とコミュニケーションを取るためと選択した比率
今回の調査では「サービス利用に対する抵抗感の低下」「全年代で友人・知人とコミュニケーションを取るためという理由での外食ニーズが上昇」など、依然として多い感染者数とは連動せず、消費マインドが高まっていると感じるデータが散見されました。感染症対策の継続はもちろん必要ですが、その中でお客様との距離感、サービスの内容を少しずつ変えていくべき時期がきているのかもしれません。
◆監修:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志