「現場負荷最小限」のプロモーションが爆発的な成果を生む ―販促策を点から線に整えるLINEによる集客支援「エルボ」とは―
株式会社イートファクトリーホールディングス(大阪府大阪市)が展開する「屋台居酒屋 大阪 満マル」は、コロナ禍で大きなダメージを受けるも、速やかに業績回復を実現。直営店舗に関しては、2023年1月度から2024年2月度まで14か月連続でコロナ前の2019年の売上を上回っている。ポストコロナにおいてLINEを活用した集客支援「エルボ」のプロモーション策が整い、継続した成果を出している秘訣を外食事業部グループマネージャーの船奥邦彦氏と内山佳英氏にお話を伺った。
コロナ再起動のために販促を加速!でもうまくいかない
内山GM:弊社の主力業態である「屋台居酒屋大阪 満マル」は「美味しくて、めっちゃ安い」をコンセプトに、1店舗に200種類以上の豊富なメニューを取り揃えていました。お蔭様で美味しさと安さをウリにたくさんのお客様にご利用いただき、2019年までは毎年増収増益を継続し、店舗数も直営・FC合わせて84店舗まで増えていきました。
しかし2020年3月度からのコロナ禍において、大きなダメージを避けることが出来ず、2021年度には企業としても大きな赤字を計上する結果となってしまいました。やっとコロナの影響も少なくなって来た2022年、早期業績回復が喫緊のテーマとなり、色々なアプローチでのプロモーション策にチャレンジしていきました。
予算をかけてペイドメディアやSNSなど、さまざまな手段での販促にチャレンジをしましたが、同じ「満マル」業態でも成果の出方が異なり、組織全体のストーリーを描くことが出来ず、コロナの影響もしぶとく残っているタイミングで、業績面で苦しい局面が続きました。
そんな中で、色々なチャレンジ、トライアルを元に、有効だと見出した3つのキーワードが「LINE×Google マップ×立地」の方程式でした(図表1)。この方程式を忠実に実施すれば、確実に業績の成果が出るとの手応えを得ました。
図表1:「エリア×立地」を元にカテゴリー「プロモーションパターン」
方程式を導き出す上でのドラマ・苦労・課題を教えて下さい
船奥GM:まずは、満マルの業態特性上、リピーターへのプロモーションがうまくいきそうな気配がありましたので、トライアルで数店舗LINEプロモーションについて、チャレンジを開始しました。最初は想定通りにうまくいっていた店舗もあったのですが、少し期間を置いたタイミングで検証すると、いつの間にか企画自体の進捗がわからない状況となっておりました。
弊社の悪い習慣である「ノリと勢いではじめたけど、いつの間にかわからなくなってしまった症候群」でした。改めて、うまくいかなかった要素を分解していくと、LINEプロモーションについては
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という要素が重なったことで起こった現象でした。そして、最近のプロモーションのトレンドはGoogle マップということもインプットしていましたので、弊社の直営店舗の中でも、キャスト(=パート・アルバイト)の戦力が比較的高い店舗で、お客様とのコミュニケーションを密にしていくことで、Google マップの口コミ獲得を進めました。
その一方で、口コミコム様のお力も借りながら、Google マップを起点にした集客活動を進めていった結果、口コミスコア・口コミ数の増加した店舗において、かなり早い段階で成果が見られ、業績がアップしました。『この手法はかなり成果が出る!』と手応えを得つつも、この手法は、お客様に対する高いレベルでのサービス力と現場力が求められますので、いきなり全店舗で進めることは、かなりハードルが高いだろうと推測しました。
どのようにしてその課題を乗り越えましたか?
船奥GM:お客様に対するサービス力を短期的に引き上げるというゴールに向けて、近道はないと思っています。コロナ禍を経て、労務環境やシフト貢献度なども大きく変わり、より難易度が上がっている中で、まずはキャストとお客様との接点を作る環境を用意することが大事だと捉えました。
はじめてご来店されたお客様に対して、LINE会員の獲得チャレンジをする=お客様との接近戦の糸口を提供➡LINEを活用したリピート販促を行う➡LINE会員としてリピートされたお客様に対して、高いクオリティサービスを提供して、Google マップでの口コミを獲得➡その口コミを見た新たなお客様がご来店➡お客様との距離を縮めるサービスが可能になり、CSが上がる➡同時にキャストの成功体験とモチベーションUPを実現というような、まさに「良いとこ取り」の戦術を動かそうとしたのですが、運営のハードルとして起こった問題は、「店長に任せる領域を増やしすぎた」ことでした。
やっとコロナ禍が落ち着いて、店舗の売上も戻ってきているタイミングだったので、『オペレーションも作り直さなければいけない』『人も採用しないといけない』『育てないといけない』『色々なイレギュラーにも対応しないといけない』など、やらなければならない業務が店長に集中してしまっている状況でした。
そのような中で、さらにLINEやGoogle マップのプロモーションについても企画・運営を任せるのは時間的にも大きな無理が生じ、加えて、あまり得意でないプロモーションの運用を店長陣に任せることで、業務全体の生産性低下を招いてしまうリスクもありました。
そこで、「企画を動かす」ことはLINE集客支援「エルボ」にアウトソーシングし、現場のメンバーには「LINE会員獲得=お客様との接近戦」だけに専念してもらうことで、成果創出へのプロモーションサイクルが回り出したと感じています(図表2)。
図表2:イートファクトリーが導きだした「プロモーションサイクル」
LINEによる集客支援「エルボ」についてのメリットを教えて下さい
内山GM:やはり、現場の「やるべきこと」を「お客様との接近戦」に的を絞ることだと思います。弊社の理念として「元気」「笑顔」「感動」を提供し続けることを掲げているものの、「コロナ禍+人手不足」で現場の負荷が高まっている中、さらにプロモーションについてもお願いしてしまうと、やりきることがとても難しくなります。
そこで、現場では「お客様との接近戦」➡「LINE会員獲得」に注力してもらい、獲得した会員様へのプロモーションは「エルボ」にお任せすることにしました。 この事から、現場メンバーの作業工数を大幅に削減することができ、お客様との接近戦によるやり取りやキャストの教育にかける時間を捻出できました。
結果的に、お客様に「元気」「笑顔」を提供できる場面も確実に増え、お店のファンになってくださるお客様も増えました。そして、リピートのきっかけが提供されることによって、売上も上がるという好循環を実現できたと思います。
今後に向けての取り組みを教えて下さい
船奥GM:ストーリーや仕組みを作っても、お店がお客様に愛されるお店にならないと、意味がありません。現場メンバーとともに、このストーリーを武器に、元々の満マルの最大の武器である「お客様に元気と笑顔と感動を提供し続ける」ことに注力し、多くのお客様に愛されるお店にしたいと思います。また同時に、お店で働くキャストには、お客様との接近戦による「お客様との関わり」にこそ、仕事の醍醐味があることを感じてもらえるように、楽しんでチャレンジできる環境を作っていきたいと考えております。
※取材:2024年3月18日
※執筆:株式会社MS&Consulting シニアコンサルタント 湯瀬圭祐
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。
飲食 |
51-99店舗 |
LINEを活用した集客支援「エルボ」 |
新規・リピーターに対するプロモーション |