地域の食文化の発展に貢献する「食文化提案企業」を目指して
株式会社間渕商店
代表者:間渕 亨夫 代表取締役社長
所在地:静岡県浜松市中区肴町317-17
設立年月:1901年(明治34年)
公式ホームページ:http://www.mabuchi-g.com/
事業内容:酒類&食品販売、外食、不動産、コンビニエンスストア経営
展開するブランド:メルカート間渕、ザ・パーク24、ローソン元目店、ローソン鴨江店、重えもん、バールMabuchi、バールMabuchi 1F
社員数:正規31名、パート・アルバイトなど100名
『季刊MS&コンサルティング 2014年冬 特別号』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
生活者としての感覚や発想を大切に
株式会社間渕商店は江戸時代、元禄中期に創業した老舗。1965年には酒問屋を設立し、長年にわたり地元に根ざした商売を展開している。2000年に飲食事業を始め、オープン当初は業績も良く、2006年には同部門を分社化したが、6~7年経ったときに成長に陰りが見え始めた。そのとき代表取締役社長の間渕亨夫氏は改めて「何のために飲食店をやっているのか?」を考え、現在に至るまで居心地の良さと美味しさを常に追求している。
2013年11月13日、重えもんが「鉄板料理と美味しいお酒をリーズナブルに楽しめるお店、JYUEMON」にリニューアル。写真はライブ感が楽しめるカウンター席。
常にお客さま視点であるために
同社が顧客満足度を高めるために実施している取り組みの1つが繁盛店視察である。月1回の頻度で実施し、全社員15名と一部のアルバイトが視察メンバーの対象となる。毎回視察テーマを決め、テーマに合致したメンバーが代表として視察へ行く。
視察店舗を選ぶときの基準は、そのお店で食事をしているお客さまの表情が良いかどうか。そして、そのようなお店ではどのような料理が注文され、どのようにスタッフが振る舞っているのかを視察メンバーが自分の目で見て学ぶ。直接お店に行くことで、あるべき姿のイメージを鮮明に持ってもらうことにこだわっている。視察後は学んだ内容をレポートにまとめ、社長に報告をする。そしてすぐに新メニュー開発に活かすなど、視察で学んだことを形にすることがルールとなっている。
メルカート間淵は酒と食のセレクトショップ。酒屋の域を超えた500種類のワインを中心に清酒、焼酎、ウイスキーなどを取り揃えている。
顧客満足度の観点でこだわっているのは「会計後、このお店に来て良かった」と感じていただけるかどうかである。2008年から導入しているミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)は各店舗でレポートを読み込み、対策を考え、店長が自店舗の改善事項をまとめ、社長へその内容を報告する。報告は1店舗あたり1時間程度、毎月社長と店長が膝詰めで話し合う。報告後、改善活動の状況について、社長自らが動き、確認を行っている。試食会のときや、店舗で食事をしたときに自分の目で活動状況を把握し、店長が集まる全体会議のときにも必ず進捗を確認する。また、知り合いがお店で食事をしたときにも、感想を聞くようにしている。
会社帰りにふらっと寄れるのがバールの魅力。ワインを片手に美味しくて安い料理を囲み、団体でワイワイ楽しめる。写真はバール Mabuchiの店内。
視察会やMSRをもとにした改善活動に共通しているのは、「見て終わり」「決めて終わり」ではなく、社長自ら動き進捗を把握し、アドバイスをし続けることである。社員が社長に報告、相談をしたいと思ったときには、常に社長が話を聞ける環境を作っている。顧客満足度を高める上で、社員とのコミュニケーションは最も大切な要素であると考えるからこそ、間渕社長はその時間を最優先しているのである。
有楽町のど真ん中に位置するブルーのオシャレな外観が印象的なバール Mabuchi 1F。炭火を囲んだ円形カウンター席では、目の前で焼かれる炭火グリル料理の臨場感が抜群。