【セミナーレポート】コロナ禍でお客さまは"小売業"のサービスに何を求めているか?~緊急事態宣言解除後の消費者調査~
緊急事態宣言解除後に行いましたドラッグストア、スーパーマーケット、食物販をはじめとする小売業態のモニター調査結果(来店型調査)をもとに、アフターコロナに差し掛かった今、お客様が小売店舗に何を求めているのか、またこれからどのようなことを期待するのか考察と取り組み案をご紹介いたします。【開催日時:6月16日(火)14:00~15:00】
時系列で追う、消費者意識・行動の変化 ~小売業編 その①~
【緊急事態宣言・発令直後】
新型コロナウイルスCOVID-19感染拡大前後の「意識変化」
※弊社登録モニター 3,014名のアンケート結果より(2020年4月17日~23日実施)
コロナ以前はお店選びの理由にはなり得なかった「清潔感・衛生面」が、今やお店選びの重要な要素に変わりました。接客面では「レジ対応」の重要性が突出しています。
テキストマイニングの結果、「感染対策」関連ワードが頻出。消費者の関心事項が浮き彫りになりました。
※ユーザーローカル テキストマイニングツール( https://textmining.userlocal.jp/ )による分析
お客様が、「安心・安全」に求める期待内容が変化していることが伺えます。店舗にとっては、サービスの優先順位の再設定と、安心・安全を叶える「新基準」の策定が急務となりそうです。
時系列で追う、消費者意識・行動の変化 ~小売業編 その②~
【緊急事態宣言・解除後】
新型コロナウイルスCOVID-19感染拡大後の「お店への期待」
※首都圏近郊(一都三県)42店舗の覆面調査結果より(2020年5月30日~6月10日実施)
コロナウイルス対策に対する消費者の印象を知るため、以下の3要素について覆面調査を実施いたしました。
<安心・安全に関する設問カテゴリー>
1.換気や消毒液の設置など、入口のコロナウイルス対策
2.店内放送やソーシャルディスタンスの確保など、店内のコロナウイルス対策
3.並び間隔の目印や飛沫防止シートの設置など、レジでのコロナウイルス対策
結果、従来は「どこもできていて当たり前」とされていた「安心・安全に対する印象」の評価に、企業間の大きなバラツキがあることが判明しました。
「安心・安全に買い物ができる」ことが、「再来店の理由」になる時代が到来したと考えることができます。
一方で、「安心・安全に対する評価」において、かつて当たり前であった「とても安心できた」の評価を得た店舗は僅か3割でした。
同一ブランドであれば、大方針は同じであることと思います。しかし、現場で行う安心・安全対策には店舗による「実施基準のバラツキ」が生じているようです。
<実施基準のバラツキの例1>
[優良コメント]スーパーマーケットE社●●店
レジに並ぶまでの床には、等間隔で線が引かれていたので、ソーシャルディスタンスが保たれるような工夫がされていると感じました。
[NGコメント]スーパーマーケットE社■■店
レジに並ぶ際の間隔を示すシールは貼られていましたが、シールの間隔が狭く、また貼ってあるシールの数が少なかったので、ちょうど混雑している時間帯に並んだのですが、シールが足りないと感じました。
<実施基準のバラツキの例2>
[優良コメント]ドラッグストアB社●●店
お会計時、お釣りを渡してくれる際に「トレーに失礼します」と言って下さったので、とても好印象でした。
[NGコメント]ドラッグストアB社■■店
支払いは現金でお願いしましたが、お釣りとレシートはトレーではなく手渡しでした。特に手袋はしておらず、前のお客様の会計が終わった後も手指を消毒した様子はなかったので、少し気になりました。
「安心・安全を感じられること」が当たり前だった時代は既に終わっています。
安心・安全対策は今や、「できて当たり前」ではなく「お客様の感動・リピートにつながる取り組み」へと変化しました。
「新基準の安心・安全対策」が求められる現在、お客様の期待と現場の実情をいち早くつかんだ「タイムリーな現場改善」が、経営持続の要件になっていくと思われます。