【忘年会どうなる?シリーズ③】定番の鍋料理って正直どう思ってる?
今年はコロナ禍における忘年会シーズンとなることは間違いありません。そのような中、忘年会の予定はどうなっているのか、人数、予算はどうなるのか。忘年会の定番である鍋料理に抵抗感はあるのか、ないのか。そういった様々な疑問に対して、MS&Consultingでは1663名の一般消費者に対して調査を行いました。第3回のテーマは「定番の鍋料理って正直どう思ってる?」です。
- 「同じ鍋を囲むことに対する抵抗感」はビュッフェ形式の食事なみに高い
- 忘年会で鍋料理を食べるとしたら「一人用の鍋をそれぞれが食べる方が良い」という回答が多数
- 好きな鍋ランキングは男性がもつ鍋、女性は僅差でしゃぶしゃぶが1位
※2020年10月16日~10月20日に調査実施(n=1663)
1.「同じ鍋を囲むことに対する抵抗感」はビュッフェ形式の食事なみに高い
コロナ禍における忘年会については捉え方が男女で大きく異なるということが前回の記事で分かりました。では定番の鍋料理についてはどうでしょうか?「同じ鍋を囲むことに抵抗を感じるか」を調査したところ、多くの人が抵抗を感じると答える結果になりました(図1)。
特に職場での忘年会の場合は、別で行っている一般消費者調査の中でもっとも抵抗感の強かった「ビュッフェ形式での食事」よりも強く抵抗感が出ていました。一方で「親しい友人とのプライベートな忘年会」の場合は若干その傾向がやわらぐことが分かりました。また、女性よりも男性の方があまり気にしないという結果になりました。
【図1】同じ鍋を囲むことに対する抵抗感の分布
男性
女性
※設問「あなたは【○○な忘年会】で同じ鍋を囲むことに抵抗を感じますか?」に対する各選択肢の回答比率、n=1087(男性)576(女性)
※(参考)ビュッフェ形式での食事は「ビュッフェ形式のような、複数のお客様が自分で取り分ける食事形態について抵抗を感じますか?」に対する回答。2020年10月20日~27日実施、n=414(男性)410(女性)
2.忘年会で鍋料理を食べるとしたら「一人用の鍋をそれぞれが食べる方が良い」という回答が多数
次に、忘年会で鍋料理を食べるとしたら「みんなで1つの鍋を囲む」「一人用の鍋をそれぞれが食べる」のどちらが良いかを聞きました。
結果は、男女共に「一人用の鍋をそれぞれが食べる」方が良いという回答が圧倒的に多数となりました。特にその傾向は女性の方が強く「みんなで1つの鍋を囲む」方が良いと答えた人は6%にとどまっていました。
【図2】鍋料理を食べるとしたらどちらが良い?
男性
女性
※設問「あなたは忘年会で鍋料理を食べるとしたら「みんなで1つの鍋を囲む」「一人用の鍋をそれぞれが食べる」のどちらが良いですか?」に対する各選択肢の回答比率、n=1087(男性)576(女性)
3.好きな鍋ランキングは男性がもつ鍋、女性は僅差でしゃぶしゃぶが1位
忘年会で食べたい好きな鍋を聞くと、 1位は男性がもつ鍋、女性はしゃぶしゃぶとなっていました。特にもつ鍋は女性の場合も僅差の2位で、忘年会など外食で鍋を食べるときの定番となっていることが分かります。もつ鍋を選んだ理由を見てみると「家でやらないから」「家で食べるもつ鍋は臭みが気になるので、お店でいただきたいです」など【家庭ではなかなかできない】ことがポイントとなっていました。
【図3】忘年会で食べるならどんな鍋が食べたい?
男性
選んだ理由(男性)
【もつ鍋】
- 気軽に楽しめ、堅苦しくないから
- 家でやらないから
- 無難に好き嫌いが少ない
【すき焼き】
- すき焼きが好きなので
- すき焼きだと特別感があるので
- 冬といえばすき焼きを食べたい
【ちゃんこ鍋】
- 色々な味がミックスされ、〆まで美味しくいただける
- 具沢山で美味しいから
- 各店で独自の味付けがあり、かつ内容もヘルシーやガッツリ系等色んなバリエーションが選べるから
女性
選んだ理由(女性)
【しゃぶしゃぶ】
- 比較的ヘルシーなので
- 自分で投入、泳がせ、引き上げが完結するし、熱湯ですすぐから安心
- あっさりしたお肉が食べたいから
【もつ鍋】
- もつ鍋は、家庭ではなかなかやらないから
- 家で食べるもつ鍋は臭みが気になるので、お店でいただきたい
- 自分が好きな鍋なので
【すき焼き】
- いいお肉を食べたいので
- お金を出して食べるならしっかりお肉も食べたいから
- すき焼き鍋であれば、1人前も用意がありそうだから
※設問「あなたは忘年会で鍋料理を食べるとしたらどんな鍋が食べたいですか?もっとも食べたい鍋を1つ選んでください。」に対する各選択肢の回答比率、n=1087(男性)576(女性)
それでは、忘年会で気に入ったお店に対して、消費者はどのくらい「個人的な再来店」をするのでしょうか?またそのポイントはどこにあるのでしょうか?次回はそのあたりを中心に分析してみたいと思います。
MS&Consultingでは定期的に消費者意識調査を行い、感染症対策と経済活動の両立させるためのヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきたいと考えております。
第1回「みんな今年の忘年会どうするの?」はこちら
第2回「どんなお店に行きたい?男女で顕著な違いが!」はこちら
文責:株式会社MS&Consulting チーフデータサイエンティスト 錦織浩志