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【ショッピングセンター】新型コロナウイルスに関する 消費者意識調査結果


一般社団法人日本ショッピングセンター協会は、7月の既存SC全体の前年同月比はマイナス17.6%、公共交通機関が主な来館手段となる中心地域・大都市ではマイナス32.6%になったと発表しました。コロナ禍の影響を大きく受けているSC業界において、どのように消費者の不安に向き合っていくべきかのヒントを探るべくネットリサーチを実施いたしました。



新型コロナウイルスに対する消費者の危機感の変化

消費者の新型コロナウイルスに対する危機感分布は図1のように変化しました。


【図1】新型コロナウイルスに対する危機感の分布

※設問:コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください 調査方法:いずれもインターネットによるアンケートリサーチ 回答数:1回目375、2回目1109、3回目823、4回目841、5回目833、6回目845、7回目831


「非常に不安」の回答割合

7月下旬~8月上旬に新規陽性者数が著しく増加すると、「非常に不安」の回答割合も増加傾向になりました。新規陽性者数が落ち着いてきたようにみえる現在は、再び減少傾向に転じ6月中旬と同じ水準になっています。

「どちらかと言えば危機感がある」の回答割合

選択肢6以上の「どちらかと言えば危機感がある」と答えている割合は、緊急事態宣言解除後の6月から9月の間で大きな変化はなく(8割前後)、一般消費者が持つ危機感は今後も継続していくことが予想されます。

注:この後ご紹介するショッピングセンターに関する今回の調査は、全国の感染者が連日1,000名を超え始めていた8月7~9日に行いました。



コロナ前(20年1月以前)と比較するとショッピングセンターの利用頻度は減少

「【2020年1月以前(新型コロナ影響前)について教えてください】ショッピングセンターをどのくらいの頻度で利用していましたか」に対する回答と、「【緊急事態宣言解除後について教えてください】ショッピングセンターをどのくらいの頻度で利用していますか」に対する回答を比較しました。


結果、「週に1回以上利用」の顧客層は34%から半分の17%までに減少。「月に1回」「数カ月に1回」など月単位での利用する顧客層が増えていることがわかりました。


 図2ショッピングセンター利用頻度の変化

※設問:「【2020年1月以前(新型コロナ影響前)について教えてください】ショッピングセンターをどのくらいの頻度で利用していましたか」「【緊急事態宣言解除後について教えてください】ショッピングセンターをどのくらいの頻度で利用していますか」 調査期間:20年8月7~9日 回答数:1033名 調査方法:ネットリサーチ


男女別SCの利用頻度の変化

 また、月に1回以上ショッピングセンターを利用する人の割合を男女別に比較すると、コロナ前と後では女性の割合が大きく下がっており、男性と変わらない利用頻度になってきています。


【図3】男女別月に1回以上ショッピングセンターを利用する人の割合

※設問:「【2020年1月以前(新型コロナ影響前)について教えてください】ショッピングセンターをどのくらいの頻度で利用していましたか」「【緊急事態宣言解除後について教えてください】ショッピングセンターをどのくらいの頻度で利用していますか」 調査期間:20年8月7~9日、※n=511(男性)、522(女性) 調査方法:ネットリサーチ


「コロナ禍でもショッピングセンターを利用したい」の回答割合は7割以上

設問「マスク着用やソーシャルディスタンスが求められる社会情勢の中で自分自身がショッピングセンターを利用したいと思いますか?」に対する回答では、「利用したいと思う」と回答した割合が全体の7割を超え、多くの方がコロナ禍でも利用したいと考えていることがわかりました。


【図4】「コロナ禍でもショッピングセンターを利用したいか」の回答割合

※設問:マスク着用やソーシャルディスタンスが求められる社会情勢の中で自分自身がショッピングセンターを利用したいと思いますか? 調査期間:20年8月7~9日 回答数:1033名 調査方法:ネットリサーチ


コロナ対策に取り組んでいるかを気にする割合は9割以上

設問「マスク着用やソーシャルディスタンスが求められる社会情勢の中でショッピングセンターがコロナ対策をしっかり取り組んでいるかどうかをあなたは気にしますか?」に対する回答では、9割以上の方が「気にする」と回答されました。


【図5】ショッピングセンターがコロナ対策に取り組んでいるか気にしますか?

※設問:マスク着用やソーシャルディスタンスが求められる社会情勢の中で、ショッピングセンターが、コロナ対策をしっかり取り組んでいるかどうかをあなたは気にしますか? 調査期間:2020年8月7~9日 回答数:1033名 調査方法:ネットリサーチ


各ショッピングセンターのコロナ対策を何で確認するのか?

お客様はショッピングセンターのコロナ対策をどこで確認しているのかを調査しました。


2つの設問のうちの1つ目は「あなたは普段利用するショッピングセンターのホームページに掲載されているコロナ対策のPRをみたことがありますか?」です。この設問には5割弱の方がみていると回答されました。


2つ目の設問は「マスク着用やソーシャルディスタンスが求められる社会情勢の中で、あなたはショッピングセンターを利用する前に入口にあるコロナ対策の案内を気にしますか?」です。この設問には8割以上の方が気にすると回答しました。


つまり、ショッピングセンターのホームページにある案内よりも、入口にあるコロナ対策の案内の方が、多くの方の目に留まっているものと考えられます。


 【図6】ホームページに掲載されているコロナ対策のPRをみたことがありますか?

 

【図7】SCを利用する前に入口にあるコロナ対策の案内を気にしますか?

※調査期間:20年8月7~9日 回答数:1033名 調査方法:ネットリサーチ



最低限できていてほしいコロナ対策は消毒とマスクの着用

設問「マスク着用やソーシャルディスタンスが求められる社会情勢の中であなたがショッピングセンターを利用する上で最低限できていてほしいコロナ対策を教えてください(複数回答可)」に対する回答割合は、1位「 店内の消毒」、2位「 スタッフのマスクの着用」、3位「 入店するお客様へのアルコール消毒」でした。スタッフのマスク着用など、徹底にはテナント店舗との連携が必要な項目が上位に上がりました。


図8 最低限できていてほしいコロナ対策

※設問:マスク着用やソーシャルディスタンスが求められる社会情勢の中で、あなたがショッピングセンターを利用する上で、最低限できていてほしいコロナ対策を教えてください(複数回答可) 調査期間:20年8月7~9日 回答数:1033名 調査方法:ネットリサーチ


おわりに

お客様のショッピングセンター利用意向は高いものの(図4:73%)実際に足を運ぼうとすると不安感などから来店を躊躇している様子が窺えました。新型コロナウイルスに対する危機意識がまだまだ高い情勢の中でお客様にショッピングセンターへご来館いただくには、施設が取るコロナ対策への安心感が鍵となります。特にお客様が気にされている対策は「スタッフのマスク着用」「店内の消毒」など、テナント全体での取り組みが必要な対策であることがわかりました。加えて施設や店舗への入口で「感染症対策の案内」がお客様に対してわかりやすく伝達されることが重要になっています。

まだまだ感染症の拡大に対して不安な気持ちはありつつも、このような状況下だからこそショッピングセンターでの「楽しさ」「ワクワク感」をお客様は求めていると考えられます。感染症対策に自信を持って安心していただける状態で、多くのお客様にお買い物を楽しんでいただくことが、コロナに打ち勝ってSC業界が復活する大きな鍵になっていくものと思われます。


文:黒澤 理紗




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