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【7月:焼肉業態】新型コロナウイルス対策調査の傾向分析レポート

緊急事態宣言が全国で解除されて以降、徐々に新規陽性者数が増えてきた中で、経済と感染症対策の両立を模索してきた7月。そんな7月に弊社が実施した焼肉業態の店舗へのミステリーショッピングリサーチ(覆面調査)の結果を分析すると”今の消費者”が期待している新型コロナウイルス対策の水準が分かってきました。消費者にとって、どのような対策が「できていて当たり前」で、どのような対策が「より一層安心できる」のでしょうか。

対象期間  … 2020年7月1日~7月31日

対象調査数 … 862店舗(n=1087)

1.2割強の店舗でお客様は「感染症の不安」を感じてしまっている

調査には、まず「感染症の心配なく、店舗を安心して利用できると感じましたか。」という設問があり、4つの選択肢(非常に安心だった、問題なし、やや安心感に欠けた、非常に不安を感じた)から1つを選んでもらいます。

7月1日から31日の間で調査が行われた862店舗において「やや安心感に欠けた」と答えた人が全体の19.6%、「非常に不安を感じた」と答えた人が全体の2.9%で、合わせて計2割強(22.5%)の人が来店した店舗で飲食をする中で不安感があった、という結果になりました。



図1 7月の飲食店調査における感染症対策の安心感 回答分布


2.感染症対策の安心感が再来店意思に与える影響は、引き続き大きい 

2割強の人が飲食をする中で不安感があったと答える一方、「非常に安心だった」と答えた方も3割強(32.0%)そして「問題無し」と答えた人が5割弱(45.5%)と、店舗による差が大きいことが分かります。そして、データをより詳しく見ると、この「感染症対策の安心感」は「このお店にまた来たいと思ったか」という再来店意思とも連動していることが分かりました。

図2 感染症対策の安心感別の「必ずまた来たい」獲得率

*不安・・・非常に不安を感じた or やや安心感に欠けた

  • 非常に安心と感じる店舗では、56.0%もの人が「必ずまた来たい」と回答しており、これは問題なしと感じる店舗よりも「必ずまた来たい」と答える人の割合が31.9pt高かった。

図3 感染症対策の安心感別の「たぶん(絶対)来ない」選択率

*不安・・・非常に不安を感じた or やや安心感に欠けた


  • 不安に感じる店舗では、32.8%の人が「たぶん(絶対)来ない」と回答しており、これは問題なしと感じる店舗よりも「たぶん(絶対)来ない」と答える人の割合が20.0pt高かった。


つまり

店舗利用時にお客様が感じる感染症対策への安心感の程度は、離反要因にもリピート要因にもなりえる。

ということが分かります。


また、同じ飲食でも「居酒屋業態」と比較して、感染症対策に不安を感じたときの「必ずまた来たい」獲得率が低く「たぶん(絶対)来ない」選択率が高い傾向にあります。このことから、

焼肉業態は居酒屋業態よりも

感染症対策が重要

であると考えられます。


3.お客様への積極的な働きかけは、できていない率が高い傾向

では、具体的な感染症対策の中で「できていない店舗が多いもの」は、一体どうなっているのでしょうか。それをまとめたものが下記の図4になります。

図4 感染症対策設問における「できていない」割合

一口に感染症対策設問と言っても、店舗での実施状況には大きなばらつきがありました。特にスタッフからの「退店時スタッフが出口のドアを開ける」や「料理提供時の感染症対策」「退店時に消毒利用の案内」については70%以上の店舗で「できていない」という結果になっていました。


4.スタッフや店舗から「積極的に伝えること」が安心感をつくる

それでは感染症対策に対して「非常に安心」という高評価を受けている店舗では、一体どのような項目が特に徹底がされているのでしょうか。逆に不安を感じさせてしまっている店舗では、どのような項目が特におろそかになってしまっているのでしょうか。

それらを表1と表2にまとめました。

表1 「非常に安心」と「問題なし」の実施率GAP上位5項目


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表2 「不安」と「問題なし」の実施率GAP上位5項目


この結果を見ると、居酒屋業態とは少し異なり

  • 「顧客同士の距離が適切に保たれている」「席案内時に備品の消毒をしている」については、できていると安心感が強まり、できていないと不安につながっていく。(表1、表2)
  • 「スタッフから感染症対策に関する説明がある」といった項目は「できているとより安心を感じられる」効果のある行動だと考えられる。(表1)
  • 一方「調理スタッフの仕事ぶりに衛生面への配慮がある」といった項目は「できていることが期待水準」となっており、ここができていないと「安心感が欠ける、不安」という気持ちになってしまう。(表2)

つまり、7月も引き続き

まず感染症対策を徹底し、不安を取り除いた上で、

スタッフや店舗から積極的に伝え、安心してもらうことが重要

だということが分かります。


5.まとめ

営業を再開する飲食店が多い中、今回の調査で感染症対策の実施度には店舗によってかなりばらつきがあることが分かりました。また、その実施度はお客様の「安心感」につながり「また来たい」「もう来たくない」という再来店意向へつながっていることも分かります。しかし、お客様の不安を払しょくするには、コロナ対策を徹底するだけではなく、それらの対策が「お客様に伝わっているのか」を確認していくことが重要です。


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現状把握・改善するなら「新型コロナウイルス対策調査」をぜひご検討ください。


チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
東京大学大学院工学系研究科を修了後、2012年に株式会社MS&Consultingへ入社。産業技術総合研究所との共同研究にプロジェクト開始当初からプロジェクトリーダーとして参画。社内初のデータサイエンティストとして大量の顧客満足度や従業員満足度の調査データ分析を担当。

自社の感染症対策にお客様は安全・安心を感じているのか?「新型コロナウイルス対策調査」で確認いただけます。

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